新十両の尊富士がスピード昇進 同部屋の熱海富士に並ぶ初土俵から所要8場所「うれしい気持ちと、あと1場所早ければなという気持ち」
日本相撲協会は29日、大相撲初場所(来年1月14日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、尊富士(伊勢ケ浜)と欧勝海(鳴戸)の新十両昇進、白鷹山(高田川)と栃武蔵(春日野)の再十両を決めた。
尊富士は福岡・太宰府天満宮内の部屋宿舎で会見。西幕下筆頭で臨んだ九州場所で6勝1敗と勝ち越し、昨年秋場所の初土俵から所要8場所での新十両は、同部屋の幕内熱海富士らに並ぶ7位のスピード昇進(年6場所制が定着した1958以降、幕下・三段目付け出しを除く)となった。「一緒だね」と声をかけられたといい「うれしい気持ちと、あと1場所、早ければなという気持ちがあった」と心境を語った。
3学年下の熱海富士とは、稽古でよく手合わせをする尊富士。2場所連続で優勝争った姿に「やっぱり自分も悔しい気持ちもあったし、早く優勝争いをやってみたいという気持ちがある」と、対抗心をのぞかせた。
10月の秋巡業には、横綱照ノ富士の付け人として参加。トレーニングの指導も受けた。巡業を終えてバス移動した後に現地でジムを探し、一緒に汗を流した成果が九州場所で出た。照ノ富士からは「おめでとう」と祝福されたといい「やってよかった。キツかったけど、やっぱり努力することが一番だなと思った」と実感を込めた。
日大出身で出足の鋭い押し相撲が持ち味。会見に同席した師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「黙って見守ってるだけでも十両ぐらいは行くんじゃないかなという思いが強かった。むしろこれから」と期待を口にした。同郷の青森県出身で「小さい頃から知っている」というまな弟子。相撲どころの郷土とあって「横綱にならないとなかなか認めてくれない」とハッパをかけると、尊富士も「やるしかないですね」と苦笑しながら、出世を誓った。