尊富士 スピード新十両昇進 同部屋の熱海富士に並ぶ初土俵から所要8場所 「あと1場所、早ければな」

 日本相撲協会は29日、大相撲初場所(来年1月14日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、尊富士(24)=伊勢ケ浜=と欧勝海(22)=鳴戸=の新十両昇進、白鷹山(高田川)と栃武蔵(春日野)の再十両を決めた。尊富士は昨年秋場所から所要8場所での新十両で、年6場所制が定着した1958年以降で小錦、把瑠都、熱海富士らに並ぶ7位のスピード昇進(付け出し除く)。

 順調な出世も満足はできなかった。尊富士は福岡・太宰府天満宮内の部屋宿舎で会見。同部屋の幕内熱海富士に並ぶ速さでの関取昇進にも「うれしい気持ちと、あと1場所、早ければなという気持ちがあった」と、素直に心境を告白した。

 熱海富士とは稽古でよく手合わせをする尊富士。2場所連続で幕内優勝を争った3学年下の21歳に「やっぱり悔しい気持ちもあったし、早く優勝争いをやってみたいという気持ちがある」と、対抗心をのぞかせた。

 九州場所は西幕下筆頭で6勝1敗と勝ち越し。横綱照ノ富士の付け人として帯同した秋巡業で連日、一緒に汗を流してトレーニングの指導を受けた成果が出た。「きつかったけど、やっぱり努力することが一番だなと思った」と実感を込めた。

 師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)と同じ青森県出身。相撲どころとあって、師匠から「横綱にならないとなかなか認めてくれない」とハッパをかけられた尊富士は、苦笑しながら「やるしかないですね」と気合を入れた。

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