札幌五輪招致、38年も絶望的に… IOCが30、34年の同時決定と38年のスイス優先発表 はしご外され、招致白紙濃厚に

 国際オリンピック委員会(IOC)は29日、フランス・パリで理事会を開催し、30年冬季五輪の最優先候補地にフランス、34年冬季大会は米ソルトレークシティーを選定した。これにより来夏のパリでのIOC総会で同時決定することが濃厚になった。日本から招致に乗り出していた札幌は東京五輪を巡る汚職・談合事件の影響を受け、30年招致を断念し、34年以降の開催を模索していたが、可能性が消滅した。

 さらにIOCは38年大会でスイスとの「優先的な対話」に入ることを発表。札幌の同年の招致は一気に厳しい情勢となった。42年大会は19年後で、五輪招致は事実上白紙となる可能性が高まった。

 はしごを完全に外された形となった。先月11日に札幌市とJOCは30年招致の断念を発表。その際、34年大会との同時決定は「可能性は低い」との見方を示していた。しかし、ふたを開けてみれば、同時決定に加え、38年大会をもスイスが優先されることに。東京五輪後の世論の“五輪離れ”に加え、IOCからも実質見放される形で招致は絶望的な状況に追い込まれた。

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