崖っぷちウルフ・アロン、敗者復活戦で敗れ痛恨7位 パリ五輪代表争いは混迷…飯田は2回戦敗退、18歳新井が準決勝進出
「柔道・グランドスラム東京大会」(3日、東京体育館)
24年パリ五輪代表選考を兼ねて男子100キロ級が行われ、東京五輪金メダルのウルフ・アロン(27)=パーク24=は、準々決勝でピレッリ(イタリア)に延長戦で指導3つによる反則負けを喫した。直後の敗者復活戦でも一本負けし、7位。ライバルの飯田健太郎(25)=旭化成=は2回戦で敗退。パリ五輪代表はこの日、全試合終了後に行われる強化委員会で決まる見込みだが、混迷を極める状況となった。
微妙なジャッジで沈んだ。ウルフは昨年のGS東京初戦で敗れた“くせ者”ピレッリとの雪辱戦に臨み、前回同様、掛け逃げ気味に担ぎ技で組み際をつぶしてくる相手に苦戦し、先に指導2を累積。ただ、「(今までは)きれいな柔道をしてしまった。(今は)相手を投げることを考えるより、どんな方法でもいいから勝ちにいく」と言っていた通り、ウルフも素早い技出しで応戦。後半は挽回して延長戦で指導2で並びペースを握りかけたが、7分過ぎに審判がウルフ側に3つ目の指導を宣告し、後味の悪い負けを喫した。
パリ五輪切符へ崖っぷちの立場で臨んだ今大会。初戦はジョージア選手に支え釣り込み足で一本勝ちで快勝し、2回戦は22年世界選手権銀メダルのレイズ・カヨル(カナダ)に優勢勝ち。3回戦も韓国選手に合わせ技で一本勝ちするなど本来の勝負強さを見せていた。
飯田が早期敗退、3番手の植岡虎太郎(日本製鉄)も3回戦で姿を消したことで、代表争いはさらに混とん。一方で、世界ジュニア王者の新井道大(18)=東海大=が世界王者アダミアンを破るなど快進撃を見せ、準決勝に進んでいる。
◆東京五輪以降のウルフの大会成績・22年10月、講道館杯全日本体重別選手権=3位
・22年12月、グランドスラム東京大会=2回戦(※初戦)敗退
・22年12月、ワールドマスターズ大会=1回戦敗退
・23年4月、全日本選抜体重別選手権=優勝
・23年6月、グランドスラム・ウランバートル大会=3位
・23年8月、ワールドマスターズ大会=2回戦敗退
・23年9月、杭州アジア大会=5位