柔道 東京五輪金の高藤直寿「僕の時代は終わった」永山との直接対決敗れパリ五輪落選 涙もライバルに託しエール「頑張れ」

 高藤直寿(左)から一本を奪い優勝した永山竜樹(撮影・吉澤敬太)
優勝した永山竜樹(右)を祝福する高藤直寿(撮影・吉澤敬太)
口から出血し、テーピングして永山竜樹と戦う高藤直寿(撮影・吉澤敬太)
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 「柔道・グランドスラム東京大会」(3日、東京体育館)

 24年パリ五輪代表選考を兼ねて男子60キロ級が行われ、東京五輪金メダルの高藤直寿(30)=パーク24=は、決勝でライバルの永山竜樹(27)=SBC湘南美容クリニック=に4分23秒、一本背負いで一本負けした。直接対決で敗れ、永山がパリ五輪代表に決まり、自身の3大会連続の五輪切符は消滅。試合後は大学の後輩でもある好敵手に「頑張れ」とエールを送り、ジュニア時代から男子最軽量級をけん引してきた第一人者は「僕の時代は終わったのかなと思います」とすがすがしく語った。

 厳しい組み合わせを執念で勝ち上がってきた五輪王者だったが、勝てばパリ切符が決まる大一番で力尽きた。ライバルとの直接対決となった決勝でスピーディーな打ち合いを演じ、最後は一瞬の隙をつかれて玉砕。敗れはしたが、畳の上ですがすがしい表情を浮かべ、永山の頭を抱いてエールを送った。試合後は涙を浮かべつつ、「いい勝負ができたんじゃないか。あれこそ頂上決戦だったと思う」と充実感を込めた。

 大会後の正式決定を待たずに、東海大の3学年後輩に五輪代表の重責を託す思いを明かし、「日本の60キロ級は強くないといけないので、必ず勝ってもらわないと。頑張れと(伝えた)。あれだけ強ければ、ずっと競ってきたので(実力を認めている)」。

 今後については「内緒で(笑)」と茶化しつつ、「僕にとってオリンピックが全てなので、それはブレない。(進退は)ちょっと考えます」と話した。

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