阿部詩 貫禄オール一本勝ちV パリ五輪に弾み「勝ち切れて自信になる」
「柔道・グランドスラム東京大会」(3日、東京体育館)
女子52キロ級は、東京五輪金メダルの阿部詩(23)=パーク24=がパリ五輪代表内定後初の実戦で、不戦勝を含む5試合オール一本勝ちで2年連続4度目の優勝を果たした。
阿部詩が23年も笑顔で締めくくった。声出し応援で盛り上がった会場で、投げて、抑えて、オール一本勝利。夏に脇腹を痛めた影響を感じさせない完勝劇に「本調子ではなかった中で勝ち切れて自信になる。(今年は)少し強くなって、パリに向けて一つ一つ自分のパターンが確立できた」と目を輝かせた。
来夏にもう一度“アレ”を達成するための布石も打った。決勝は最大のライバル国であるフランス勢にわずか59秒、ずっと用意してきた小内刈りで初めての一本勝ち。得意の袖釣り込み腰、内股は研究し尽くされている中、フェイントとしても使える足技を武器として磨き上げ「戦いやすくなる。(大技を)警戒されているので(選択肢に)足技があると思われると、自分の担ぎ技に入りやすくなる」とうなずいた。
GS東京に限れば、17年大会以来6年ぶりの兄妹Vも飾り「今年は2人とも負けなしで、24年に向けていいスタートを切れた」。柔道界の新しいリーダーズとして、阿部兄妹の存在感はさらに強まった。