織田信成の今年1月の国体成績が失効 ドーピング関連の復帰手続不備で JADAが発表
日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は6日、フィギュアスケート男子の10年バンクーバー五輪代表で昨季約9年ぶりに現役復帰した織田信成(36)=大阪スケート倶楽部=が今年1月に出場した国体の成績について抹消することを発表した。織田はドーピング復帰手続き不備により、本来出場資格がなかった。
織田は14年ソチ五輪出場を逃した後に引退したが、22年11月1日に、自身のユーチューブで現役復帰をすることを公表。23年1月の国民体育大会への出場を目指し、日本スケート連盟に登録した。22年11月12日に大阪府の国体派遣選手選考会で約9年ぶりに競技会に復帰。その後、1月の国体にも出場し、今年12月の全日本選手権を目指すことを公言していた。
ただ、JADAに提出しなければならない復帰届の提出がされていなかったことが今夏に判明。JADAへ登録検査対象者リスト(RTP)アスリートとして引退届を提出したため、引退後にJADAが指定する国内大会(フィギュアスケートは国体と全日本選手権が該当)に出場するには、6カ月前(織田の場合は22年7月)までに復帰届を提出する義務が永久的にあった。この件を受け、8月8日、織田が世界反ドーピング機構(WADA)に不服申し立てをしたが、却下され、21日間の不服申し立て期間も過ぎていた。
JADAは11月1日の聴聞会の結果に基づき、今年1月の国体の成績について違反を認め「競技会で得られたすべての個人成績はいずれも失効し、かつ、獲得されたメダル、得点、及び褒賞はいずれも剥奪される」と裁定を下した。1月の国体出場について「規則違反は明らかである」とした上で、織田が復帰にあたり相談していた日本スケート連盟が「復帰届」について十分な情報を与えることができなかった点、大会への出場段階で「復帰届」の提出がないことへの指摘がなかった点については「そうした事情は全く理解できないわけではないが、本件の規則違反を覆すまでの事情とはいえない」とした。
織田は同大会の成年男子の部で合計201・46点をマークし、個人で9位、大阪の3位に貢献していた。