堀江「いいラグビー人生送れた」今季限りで引退 W杯4度出場の日本を支え続けた男
ラグビー、リーグワン1部・埼玉の日本代表フッカー堀江翔太(37)が6日、今季限りでの現役引退を表明した。埼玉県熊谷市内で記者会見を開き「今シーズンをもってラグビーを引退します。いいラグビー人生を送れた」と語った。4大会連続でW杯に出場したベテランは引退後に、佐藤義人トレーナー(46)とともに取り組んできたトレーニングを広めるS&Cのコーチになることも明かした。埼玉は開幕戦(10日、熊谷)で横浜と対戦する。
1年半前には決意していた。「W杯の結果が良かろうが、悪かろうが、このシーズンを終えて引退しよう」。堀江はW杯フランス大会後の今季を最後に、現役を引退すると明言。妻には決意と同時に打ち明け、2人の娘には「一番言いふらす(笑)」とギリギリまで教えなかった。チームメートにも、この日の朝に伝えた。
19年W杯日本大会では初の8強に導き、テレビ出演などで有名選手となった。これまで現役にこだわる姿勢を見せ、パフォーマンスを維持。ベストを出せなければ休養を兼ね、日本代表を離れた時期もあった。メディアにも「僕が全然ダメだったら遠慮なく言ってくださいね」と、自分に厳しく日本ラグビーをけん引してきた。
引退理由は15年の首の手術後などにも支えられた佐藤トレーナーと、取り組んできたトレーニングを広めるS&Cのコーチになるため。「ケガをしても正しい動き方、体の使い方をすれば体の状態も良くなる。もっと若い子に知ってほしい」。37歳でもトップレベルでプレーした経験を生かし、ラグビー以外に「バスケやサッカーなどにも教えたい」とセカンドキャリアを思い描いた。
涙はなく、時折笑顔を見せ、前向きな会見だった。来年1月には38歳になるが、日本代表でともに戦ってきたリーチ・マイケル(BL東京)からは「やめるの?」と驚きのメールが来たように体力的には問題ない。「優勝を目指すために、どう成長ができるかというのは変わらない」。覇権奪還で最後の花道を飾る。
◆堀江翔太(ほりえ・しょうた)1986年1月21日、大阪府吹田市出身。大阪・島本高-帝京大卒。08年に三洋電機(現埼玉)に入団。ニュージーランド・カンタベリーアカデミーに留学も経験した。スーパーラグビーのレベルズでもプレー。09年に日本代表デビューし、通算76キャップ。W杯には11、15、19、23年大会と4大会連続で出場した。ポジションはフッカー。180センチ、104キロ。家族は妻と2女。
◆堀江とW杯 2011年大会から4大会連続で出場。11年の1次リーグ・カナダ戦ではトライを決めた。15、19年大会は全試合に出場し、初の8強にも導いた。23年大会は1次リーグ初戦のチリ戦に途中出場した以外の3試合に先発した。W杯通算16試合出場でリーチ・マイケル(BL東京)の17に次いで、日本代表歴代2位。