史上初4回転6種成功のマリニン「とても驚いている」 GPファイナル初Vに歓喜 宇野昌磨も称賛「見たことがない技術を持ってる」
「フィギュアスケート・GPファイナル」(9日、北京)
ショートプログラム(SP)1位で昨季の世界選手権銅メダリストのイリア・マリニン(19)=米国=がフリーも1位の207・76点、合計で世界歴代3位となる314・66点の異次元得点で逃げ切って、初優勝を飾った。マリニンはフリーで4回転ループを初成功。国際スケート連盟(ISU)公認大会で6種の4回転ジャンプを史上初めて成功させた選手となった。
前日のSPでは史上初めてSPでクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を成功。2日連続で歴史的快挙を成し遂げ、マリニンは「(ループは)試合で初めて挑んだけど、成功できてとても驚いている」と目を丸くした。最初の4回転半は失敗したが、その後は4種5本の4回転を全て決めた。初優勝に「金メダルは心の底から求めていた」と笑顔をのぞかせた。
試合後の記者会見では「マリニン選手が誰かと一緒にサイドバイサイドで4回転半を跳びたいと言っていましたが、どうですか」と2位の宇野昌磨(トヨタ自動車)と3位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)に問いかけられるシーンがあった。
宇野は「少なくとも僕の話をすると、絶対に4A(4回転半)は跳べないので。その夢はかなわないことをすごく申し訳ない。今まで見たことがないレベルのジャンプの技術を持っているので、そのレベルの選手が現れるのは一体何年先なんだと思ってます」と笑って回答。鍵山も「僕も仮に4回転アクセルをやるとしても、僕のスケーターとしての夢や目標を全部かなえて、もういつでもけがをしていいよって状態になったら一発やってもいいかもですけど、仮に跳べたとしてものようなクオリティーで跳べることはまずないと思う。一緒に跳べないのがすごく悔しい」と続けていた。