塩尻和也 1万メートル日本新V 上位3人記録更新の大激戦制しパリ射程 3000メートル障害のリオ代表

 日本新記録でゴールし喜ぶ塩尻和也(撮影・吉澤敬太)
 日本新記録で優勝した塩尻
 力走する塩尻と相沢晃(右)
3枚

 「陸上・日本選手権」(10日、国立競技場)

 2024年パリ五輪の選考を兼ねて男女の1万メートルが行われ、男子は16年リオ五輪3000メートル障害代表の塩尻和也(27)=富士通=が27分9秒80の日本新記録で初優勝した。従来の日本記録(27分18秒75)を持っていた相沢晃(旭化成)は27分13秒04の3位。2位は太田智樹(トヨタ自動車)で27分12秒53を記録し、上位3人が日本記録更新するハイレベルな争いだった。女子は、東京五輪7位入賞の広中璃梨佳(23)=日本郵政グループ=が3連覇を果たした。

 混戦となった頂上決戦。残り1キロで前に出たのは塩尻だった。ラストスパートでライバルを振り払い、日本最速タイムでゴールに飛び込んだ。これまでの自身の持ちタイム27分46秒82を大幅に更新した新王者は「勝負どころを意識してレースに臨んで、その結果通りに走れた」と納得の表情だった。

 元々は3000メートル障害の選手で、16年リオ五輪に同種目で出場。現在は1万メートルでパリ五輪出場を目指している。記者会見では高橋健一監督から「本当によく頑張ってくれた」とねぎらわれつつも、「3000メートル障害は強かったけど、細かいハードリングを見ると向いてないのかなと。本人には言ってないんですけど、やめてほしいなと思ったのは(19年に右膝を)大けがした時」と明かされる一幕もあった。

 これには「僕も高橋監督の方には言ってないんですけど、結構未練はあって」と笑いながら“応戦”。「今後3000メートル障害に取り組むかは分からないけど、もしもう一回走る時には(この経験は)無駄にはならない」とうなずいた。

 24年パリ五輪参加標準記録の27分00秒00は視界に捉えた。「東京五輪は出場できなかった。今年は世界陸上には出場できたけど(5000メートル予選落ちで)内容は悔しい。来年のパリに出場して、レースの内容としてもよいものにしたい」。夢の記録を出し、五輪切符をつかみとる。

 ◇塩尻和也(しおじり・かずや)1996年11月8日生まれ。群馬県出身。伊勢崎清明高から順大。3000メートル障害は16年リオ五輪予選敗退、18年日本選手権優勝、アジア大会3位、19年アジア選手権3位。5000メートルは23年世界選手権予選敗退、アジア選手権2位。1万メートルは23年アジア大会5位。170センチ。

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