高校時代のキャッチコピー「素敵に無敵、石川祐希」 超万能無敵プレイヤーへの成長のキッカケは
10月に閉幕したパリ五輪予選で出場権を獲得したバレーボール男子日本代表主将の石川祐希(28)=ミラノ。万能プレーヤーへの成長の基盤となった高校時代の逸話を担当記者が紹介する。
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今季の日本代表が武器にした「フェイクセット」。スパイクを打つと見せかけて空中で体を反転させてトスを上げるプレーだが、石川はアタッカーとは思えないトスの精度を見せていた。その基盤は星城高元監督の竹内さんの下で築かれた。
攻撃に強いこだわりを持っていた中学生時代。セッター転向の提案を拒否し、世代別日本代表から漏れた経験がある。その過去を知っていた竹内さんだったが、高校入学時にあえてセッターを経験する提案をした。全てはA代表で活躍できる選手にするため。
最初は渋っていた石川だが「オールマイティーな選手がいいに決まっている。高校では君が持っていないスキルを持たせてあげたい」と熱弁した竹内さんの言葉に納得。朝練では毎日のように練習し、大学推薦ではセッターとしてオファーが来るほどの力をつけた。
高校時代に首脳陣がつけていたキャッチコピーは「素敵に無敵 石川祐希」。当時は冗談めかした言葉だったが、現在はその言葉がぴったりの超万能で“無敵”のプレーヤーに成長した。(デイリースポーツ バレーボール担当・谷 凌弥)