サーフィン・都筑有夢路 パリ五輪出場へWG出る 「出場して、オリンピックの枠を獲得して」
サーフィン女子で21年東京五輪銅メダルの都筑有夢路(あむろ、22)=木下グループ=が12日までにデイリースポーツの取材に応じた。24年パリ五輪出場へは、最終予選となるワールドゲームズ(WG=世界選手権に相当、24年2月開幕・プエルトリコ)での活躍が鍵を握る。WG出場権が懸かる今月下旬の選考合宿を前に、現在の心境を聞いた。
再び夢舞台へ立つ準備は整っている。東京五輪銅メダリストの都筑は、現在の状態を「調子いいです」と明かすと「気持ちも元気で、選考会に向けてモチベーションも変わらずあり続けているので」とパリ五輪代表へ力を込めた。
山あり谷ありのシーズンだった。プロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)の来季シード権を争うチャレンジャーシリーズ(CS)で22年には3位と5位を経験したが、今季前半は17位、25位…。2桁順位が続いた。パリ五輪予選の5~6月のWGでも敗者復活4回戦で敗退。アジア最上位で得られたはずの五輪切符を逃した。その後も上位を狙えず「すごく苦しい1年」ともがいた。
特にWGでのプレッシャーは別格だったという。「勝たなきゃって。オリンピックでメダルを取ったこともあって、みんなの期待に応えたい葛藤もあった」。技術だけでなく、高得点が狙える波を慎重に見極めることが勝負の分かれ目となるが、メンタルの不安は試合運びに如実に影響してしまった。
思考を前向きに
悪循環に陥った。しかし「どんな結果でも今後の自分に必要な経験」と全てを前向きに捉えるように思考を変えた。すると結果も出始める。シーズン終盤はCTの予選シリーズ(QS)の台湾オープンで2位、韓国オープンで優勝。「すごく気持ちが楽になって楽しめるようになった」と本来の強さを取り戻した。
五輪切符が懸かるWGに出場する選手は、今月下旬の選考合宿で選出される。選考会の前にはハワイで約10日間腕を磨き、大一番に備える。「まず(WGに)出場して、オリンピックの枠を獲得して。(代表に選ばれ)オリンピックに出るからには金メダル目指して頑張りたい」。東京五輪前から思い描く夢の実現へ、一皮むけた22歳が勝負の時を迎える。
◆都筑有夢路(つづき・あむろ)2001年4月5日、神奈川県藤沢市出身。小学5年のとき、兄・百斗の影響でサーフィンを始めた。19年9月にCTの予選シリーズの最高ランク大会で初優勝。21年4月に現行制度で日本女子初となるCT参戦を決め、東京五輪で銅メダル獲得。名前の「有夢路」は両親が「男の子っぽい名前にしたい」と付けた。ニックネームは「あむちゃん」。159センチ。