石川祐希「強い思いを言葉にして覚悟を示している」 言葉と行動に信念と責任感 ウオーミングアップに衝撃
10月に閉幕したパリ五輪予選で出場権を獲得したバレーボール男子日本代表主将の石川祐希(28)=ミラノ。絶対的エースのアスリート精神を担当記者が紹介する。
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石川のアスリート精神には取材のたびに驚かされる。セリエAのリーグと日本代表活動。年間を通してハードスケジュールをこなすが、弱音は聞いたことがない。腰の負傷を抱えた10月の五輪予選でも「パリの切符を取り“ます”」と常に断言。「強い思いを言葉にして覚悟を示している」と日の丸を背負う責任を感じさせた。
また言葉だけでなく、行動にも信念が表れていた。五輪予選後に行われた高校生、大学生を指導するイベントで、石川が行っている練習が紹介された。衝撃だったのは、ウオーミングアップですら意味を持たせていたこと。
ストレッチでは「パフォーマンスに支障が出ないように、筋肉が硬いかどうかを判断している」と解説。コート内で行うジョギングの時は、足裏の感覚を確かめているという。
普通の選手ならリラックスした状態で漫然と行う動きも、異次元のレベルでこなす。バレーボールに全てをささげているからこその意識レベルなのか、石川という人間のすごさなのか。来夏のパリ五輪へ向けて、さらに取材してみたいと思った。(デイリースポーツ・谷凌弥)