早田ひな 五輪女王に惜敗で悔し涙「未来感じたが、悔しさは2倍3倍」パリ五輪金メダルへ課題「三回り強くならないと」
「卓球・WTT女子ファイナル」(15日、名古屋金城ふ頭アリーナ)
シングルス1回戦が行われ、パリ五輪代表を確実にしている世界ランク5位の早田ひな(23)=日本生命=は、東京五輪金メダルで同3位の陳夢(中国)に2-3で敗れた。通算7度目の対戦で初白星はならず、来夏の金メダルへは課題が残り「いつもより未来を感じる試合ではあったが、勝つことを目標にしていたので、悔しさは2倍、3倍と大きい試合だった」と悔し涙を浮かべた。
五輪女王に真っ向勝負で立ち向かった早田は、速攻や得意のドライブ攻撃、ボールをつないでのラリー戦などあらゆる手札を駆使したが、シーソーゲームで惜しくも牙城を崩せなかった。第1ゲームは先制を許したが、第2ゲームはジュースの接戦を17-15でもぎ取ると、第3ゲームも連取。金星に王手を懸けたが、陳夢のユニホーム交換による中断を経て「雰囲気や流れが変わる」(早田)と、第4ゲームは8-11で落とし、2-2で迎えた最終ゲームもギアを上げてきた女王に押されて力尽きた。
ホームの声援を背に金メダリストを追い詰めたが、あと一歩届かず「結果で恩返ししたかったが、それができなくて悔しい」と感極まって涙した。「中国選手に勝つことを目標にやってきて、今日は練習してきたことをうまく出せたが、1球の迷いが今日の勝負を分けたポイントだった。(もっと)できるはずなのにできなかった。できると思っているからこそ悔しい。自分自身が今日の結果に納得いってない」と、善戦ゆえの悔しさをかみ殺した。
早田は今年、5月の世界選手権で銅メダル、9月のアジア大会でも銀メダルと、日本のエース左腕として大きな飛躍を遂げた。自身初の五輪切符も確実にした23年の締めくくりとなった今大会、来夏の金メダルを見据える上では課題が残る黒星。善戦に手応えを感じつつも、「もう三回りくらい強くならないと勝てない」と、歯を食いしばった。