日大アメフト廃部決定 「再建を検討する予定」 広報課「断腸の思いで下した判断」
日大は15日、東京都内で臨時理事会を開き、複数の部員が違法薬物事件で逮捕されたアメリカンフットボール部の廃部を決議したと公表した。その上で「再建を検討する予定」とし、現部員と来年度からプレーを希望する選手には「新たな受け皿」を設けるなど支援していくという。
理事会には存続を求め、現主将と次期主将の部員2人が出席し、同部でまとめた再建案の発表や決意表明があった。部員と保護者には近日中に説明会を開催する。
日大は11月28日の学内の会議で廃部方針を決定したが、今月1日の理事会で結論が出ず、さらなる議論が必要として継続審議になった。廃部決議に至り、広報課は「本学としては断腸の思いで下した判断」とした。
日大アメフト部は1940年創部で、学生王者を決める「甲子園ボウル」は21度優勝。2018年に長くライバル関係にあった関西学院大との定期戦で「悪質タックル」が社会問題化した。
廃部を巡っては、連帯責任を問う形にスポーツ界などから批判的な声も上がった。一部の部員は11月29日に署名を添え、方針撤回の要望書を大学側に提出。関学大のOBも今月14日に約3万人分の署名を出した。
日大は一連の事件で、沢田康広副学長が12月末、酒井健夫学長が年度末で辞任し、林真理子理事長を減給50%とする処分を発表している。
◆日本大アメリカンフットボール部 1940年創部。赤がチームカラーで愛称は「フェニックス(不死鳥)」。59年から2003年まで監督を務めた故篠竹幹夫氏が猛練習で黄金期を築いた。学生王者を決める甲子園ボウルは21度制覇。社会人代表と対戦していた日本選手権「ライスボウル」では91年までに4度優勝。18年の関西学院大との定期戦で「悪質タックル」が社会問題化。公式試合が出場停止となり、1部下位リーグに降格。同上位リーグに復帰した20年には甲子園ボウルに出場した。