元寺尾の錣山親方の教え継承誓う 元豊真将の立田川親方「師匠の気迫、気持ち、相撲に対する情熱、教えてもらったことを弟子たちに伝えていけたら」
日本相撲協会は18日、元関脇寺尾の錣山親方(本名・福薗好文さん)が17日午後8時27分、うっ血性心不全のため、都内の病院で死去したと発表した。60歳。部屋付きの立田川親方(元小結豊真将)が都内の錣山部屋前で取材に応じ「リハビリとかをしながら、回復に向けて頑張っていたと聞いていた。本当に驚いている」と心境を話した。
錣山親方は持病の不整脈があり、入退院を繰り返していた。立田川親方が最後に話したのは九州場所の前。病院から電話で「俺はもうちょっと長くなりそうだから、頼むぞ」と、弟子たちの指導を託されたという。
思い出は自身が新弟子検査を受けた時のこと。約80人の同期生に囲まれて不安にかられていると「おまえは今、この80人の中で一番弱いかもしれない。でも、俺と2人でしっかり頑張って、みんな抜かして一番上に立とう」と声をかけられたそうで「すごく印象に残ってます。その言葉があったから、師匠と一緒にやって来られた。感謝の気持ちしかない」と声を震わせた。
25日には来年初場所(1月14日初日、両国国技館)の番付発表も控える。「精神的なもの、師匠の気迫、気持ち、相撲に対する情熱…そういうものを教えてもらった。弟子たちに伝えていけたら」と、教えを継承していくことを誓っていた。