元関脇寺尾・錣山親方の死去から一夜 弟子ら誓い新た 立田川親方「すべて引き継ぐ」 阿炎「師匠超える」

 錣山親方について話す立田川親方=東京都江東区の錣山部屋(撮影・出月俊成)
 親方の突然の死に心境を語る阿炎=東京都江東区の錣山部屋(撮影・出月俊成)
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 日本相撲協会は18日、60歳で死去した錣山親方(元関脇寺尾)の福薗好文さんの死因は「うっ血性心不全」で、17日午後8時27分に都内の病院で亡くなったと発表した。通夜は22日午後6時から、告別式は23日午前10時から、いずれも東京都江東区の錣山部屋で営まれる。喪主は妻・伊津美(いつみ)さん。部屋前で取材に応じたまな弟子の小結阿炎(29)は、涙ながらに師匠を超える活躍を誓った。部屋付きの立田川親方(元小結豊真将)は年寄・錣山を襲名し、部屋を継承する方向であることを明かした。

 気丈に振る舞っても、阿炎の目は真っ赤で時折声を詰まらせた。17日の大阪・堺巡業を休場して帰京。最期にも立ち会った。「安らかにという感じだったのでよかった」と振り返りつつ「泣くと怒られるので我慢したけど、耐えきれなくなって」と突然の別れに涙したことを明かした。前夜は部屋に戻った師匠の横で就寝。「横で寝るなんて失礼だけど、今なら怒られないので。怒られたいですけど」と寂しげに笑った。

 入門から10年。自身の不祥事などもあった中で手塩にかけて育てられただけに「厳しくもしてもらったし、迷惑ばかりかけても、父親のような広い心でずっと僕を守ってくれた」と思いがあふれた。

 昨年の九州場所で初優勝を飾ったが「いまだに背中すら見えない」と師匠の偉大さは不変。しこ名は錣山親方の幼少期の愛称が由来。「師匠を超えることをしないと、師匠の名前も自分の名前も世に広まらない。誰も忘れられないようにしたい」と誓いを立てた。

 立田川親方は、錣山親方の伊津美夫人や所属力士らとも話した上で「いま話を進めています」と、年寄・錣山を襲名して部屋を継承する方向になったと説明。「気迫、相撲に対する情熱…師匠から教えてもらったことを、僕で途絶えさせてはいけない。すべて引き継ぎながら、しっかりやっていけるように」と決意を口にした。

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