札幌五輪招致「停止」 JOC尾県専務理事「本当に残念」活動9年で終幕…節目の会合も現地参加せず謝罪「批判はあると思うが」
札幌市の秋元克広市長は19日、2030年と34年の開催が消滅し、38年も困難となっていた冬季五輪について招致活動を「停止」することを表明した。札幌市で行われた関係団体との意見交換会にオンラインで参加した日本オリンピック委員会(JOC)の尾県貢専務理事は、会議終了後に都内で取材に応じ、JOCとしても招致の停止を提案したことを報告。「(活動停止は)本当に残念なことではあるが、決して後ろ向きに捉えるのではなく、また新たな一歩と考えたい」と語った。
前日の理事会で、JOCは招致活動の「停止」を提案することを報告。将来的な活動再開や38年大会の招致には含みを持たせたものの、東京五輪を巡る汚職などで国民からの支持が伸び悩んでいる情勢を踏まえ、五輪への理解を促す活動を継続して行っていく姿勢を確認した。今回の会合でも、将来的な招致活動に向けて信頼回復を図ることなど5つの提案を行ったといい、「我々の使命をきちんと話した上で、今何をするべきかを明確にして(から招致を)停止すると、段階を踏んでお話しした」と語った。
札幌市と約9年にわたる招致活動がいったん終幕する節目の会合となったが、JOCからは札幌の現地会場には参加しなかった。山下泰裕会長が頸椎損傷のため療養しており、三屋裕子副会長も予定が合わなかったという。オンライン出席した尾県専務理事は、会合の冒頭で現地に行けなかったことを謝罪したことを明かした上で、「本当に申し訳ないが、どうしてもスケジュールを調整できなかった。色々批判はあるとは思うが、私も陸上連盟の会長という役職もあって、(日程的に)いろんな問題がありますから」と理解を求めた。