大迫傑、パリ五輪を特別視しないスタンス強調「他の大会と一緒」「世間の熱量と差ある」ファイナルチャレンジ出場は明言せず
男子マラソンで元日本記録保持者の大迫傑(32)=ナイキ=が20日、都内で行われたイベントに出席した。10月のパリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で3位となり、現時点では3枠目の五輪代表に選ばれる権利を持っているが、来夏のパリ五輪については「(価値が)フラットというか、他の大会と一緒。世間の(思う)熱量と差があるかな。あらゆるところでベストを尽くして、世界(のトップ)と近づいていくだけ。東京(五輪)は特別だったが」と現在のスタンスを明かした。
来夏のパリ五輪に出場する可能性はあるものの、現在の自身の競技観として、五輪だけを特別視していないスタンスを改めて強調した。自国開催だった東京五輪には「どうしても走りたかった」と特別な意識があったというものの、周囲の期待などを過度に受けることもあり「(周囲の価値観に)乗っかってしまった上で、自分自身に無理がきていた」と述懐した。
東京五輪後の引退、復帰を経て、「より自分のために走るようになった。人がつくった価値観の上で走るんじゃなくて、それを100%ずらすのは難しいが。(五輪至上主義的な)固定観念だったりで『大迫君(五輪で)走りたいんでしょう?』とか思われがちだが、マラソンはいろんな活躍の場がある。自分自身が新しい挑戦の中で、試したいことを試していきたいと思っているので、そこら辺は世間の(思う)熱量と、僕の熱量には差があるかな」と心境を明かした。
22年の現役復帰当初から「パリは(時期的に)急すぎるかもしれない」と、25年世界陸上東京大会や28年ロス五輪も視野に世界のトップを目指していることを再度強調。「(陸上は)順位を競うレースなので、そこに対する(勝利への)モチベーションはあるが、別にそこ(五輪)だけじゃなくてもいい。あらゆるところでベストを尽くして、世界(のトップ)と近づいていくだけっていう、(価値判断が)ニュートラルな、フラットな意識でできている」と語り、「今は純粋に陸上競技を極めたいことにフォーカスできるようになって、他人軸のプレッシャーじゃなく、自分軸のプレッシャーを含めてチャレンジを楽しめている」と明かした。
MGCでは上位2選手が代表入りした。来春までのファイナルチャレンジで、設定記録(2時間5分50秒)突破者がいなければ、大迫が代表に決まる。代表3枠目を争う「ファイナルチャレンジ」に自らも出場するかについては明言しなかったものの、「ファイナルチャレンジとかの大会で自分自身が思うところもあり、今後自分のメディアで、そんなに遠くない未来に発表できるかな」と語った。