坂本花織 体調不良でも3連覇へ照準 「息ができん。やばい」→「明日はもっと元気になる!」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、ビッグハット)
世界選手権(来年3月、モントリオール)の代表選考会を兼ねて開幕した。女子は22日のショートプログラム(SP)に向けた公式練習で、世界選手権2連覇中の坂本花織(23)=シスメックス=が体調不良で厳しい状態の中、調整した。
世界女王の意地でリンクに立つ。初制覇したGPファイナル帰国後に1日寝込む時もあったというほど胃腸の調子を崩し、今大会を迎える坂本。公式練習でフリー曲をかける中、連続3回転ジャンプが2回転になるなど、完調ではないのは明らかだった。
口元を手で押さえて顔を赤くする場面もあり、万全には程遠い様子。「息ができん。やばい。やばい。苦しい」と漏らしつつ、「明日はもっと元気になる!頑張ります」と持ち前の笑顔を振りまきながら帰路に就いた。
体調不良で迎える大舞台は経験済みだ。五輪初出場だった18年の平昌大会で、過度な緊張から急性胃腸炎に。薬を飲んでも効かず、救急車で選手村の外の病院を受診した。3日間ほど飲み食いができず、体力が落ちてしまった。ただ症状は公にせず、本番はSP、フリーともに滑り切って当時17歳ながら6位入賞。強靱(きょうじん)な精神力で、初の五輪を乗り越えた。
SPは22日、フリーは24日とまだ時間はある。「一日一日で体調を戻してフリーの頃には元気になれるように」と語った坂本。今季開幕から掲げてきた全日本選手権、世界選手権3連覇へ。今回も試練を乗り越え、クリスマスイブに万全の滑りを届けてみせる。