ママレスラー金城梨紗子 娘の前で全日本V「五輪に未練はない」出産後初の国際大会が決定的「“金城のつりパン”で金メダルを」

 永本聖奈(手前)を攻める金城梨紗子(撮影・吉澤敬太)
 永本聖奈(上)を投げる金城梨紗子(撮影・吉澤敬太)
 優勝し妹の川井友香子(右)と抱き合う金城梨紗子(撮影・吉澤敬太)
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 「レスリング・全日本選手権」(24日、代々木第二体育館)

 非五輪階級の女子59キロ級が行われ、五輪2連覇の金城梨紗子(旧姓川井・29)=サントリー=が4試合を勝ち抜き、2年連続5度目の優勝を果たした。来夏パリ五輪の出場は逃しているが、今大会の結果で来年4月のアジア選手権(キルギス)への出場が決定的。正式に決まれば昨年5月の出産後、初の国際舞台となるママレスラーは「五輪に対する未練はもうないが、もう1回海外(の大会)に出たい気持ちでやっている。来年はそこ(アジア選手権)に向けて日々、育児、家事、トレーニングを頑張っていきたい」と語った。

 五輪女王の真骨頂を発揮した。準決勝は徳原姫花(自衛隊)との戦いで1-6と劣勢を強いられたが、4-6と追い上げ、残り20秒で仕掛けた“大内刈り”で後方に倒し、一挙4点を加点。「覚えていない。本能的に(技が出た)」という土壇場の大逆転勝利で優勝につなげた。「育児しながらは厳しいが、1日4試合、しっかり戦い切ることができてよかった。とにかく戦い抜くこと、相手から6分間目をそらさないことだけを考えていた」と汗を拭った。

 試合直後には、1歳7カ月のまな娘を抱いて優勝を報告。パリ五輪への道は既に途絶えているが、「金城の(名前が入った)つりパンを着てもう1回海外に出たいという気持ちと、娘が大きくなったときに自分が生まれたからママが弱くなったとか、勝てなくなったと思わせたくないので、娘が産まれてからも結果を残しておきたかった」と原動力を明かし、「きっと本人の記憶には(残ら)ないが、記録として残しておけばきっとわかる時がくると思うので」と笑った。

 金城は21年東京五輪で2連覇を達成後に結婚し、昨年5月に第一子となる長女を出産。育児をしながら競技復帰し、日本では前例のないママとしての五輪挑戦を掲げたが、今年6月の明治杯全日本選抜選手権で世界女王の桜井つぐみ(育英大)に屈し、パリ五輪出場の可能性は消滅した。

 五輪への未練はないというものの、新たなモチベーションに燃えている。「今度は(国際大会で)金城で戦って金メダルを取るという目標ができたので、来年30歳になるが、本当に幸せだと思います」と声を弾ませた。

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