坂本花織3連覇 昼の練習後にコーチから雷→ぶっちぎりV 世界選手権で日本女子初&56年ぶり3連覇へ 

 ガッツポーズをする坂本花織(撮影・佐々木彰尚)
 メダルを手にする(左から)2位の千葉百音、優勝した坂本花織、3位の島田麻央
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(24日、ビッグハット)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の坂本花織(23)=シスメックス=が154・34点をマークし、合計233・12点で3年連続4度目の優勝を飾った。3連覇が懸かる世界選手権(来年3月・モントリオール)代表にも決定した。千葉百音(木下アカデミー)が初の表彰台となる2位。15歳の島田麻央(木下アカデミー)が2年連続の3位だった。13歳の上薗恋奈(LYS)は初出場で4位。代表1枠のアイスダンスは小松原美里、小松原尊組(倉敷FSC)が合計178・39点で2年ぶり5度目の頂点。

 フィニッシュポーズで突き上げた左手を、力強く振り下ろした。最終滑走で登場した坂本は、フリップ-トーループの連続3回転など全てのジャンプを成功。ミステリアスがテーマのフリーを情熱的に演じきった。2014~17年に4連覇した宮原知子以来の3連覇を達成し、「とにかく安心しました」と胸をなで下ろした。

 全日本選手権出場は11度目。初出場だった13年大会の15位から始まり、今は優勝候補として追われる立場となった。23歳は上から3番目で、同じ最終グループには13歳の少女もいるが、女王としての貫禄を見せつけた。

 大会前に胃痛に見舞われたこともあり、万全な状態ではなかった。この日の昼の公式練習の曲かけでは3回転ルッツを転倒し、3回転フリップにも苦戦。「泣きそう。ほんま全日本嫌や」。リンクを後にすると、涙が止まらなかった。中野園子コーチからは「花織らしくない!」と雷が落ちた。「今言わなくていいんじゃないの?」と口論になり、落ち込んだ。

 それでもつらい気持ちは、友人らと話して消化し「楽になった」。フリーを迎える頃には切り替わった。中野コーチからは「自分との戦いだから精いっぱいやってきなさい」と背中を押され、リンクイン。「この場に立ったら言い訳は通用しない。何としてもやり遂げたい」-。集中し、演技を完遂した。

 世界選手権では女子では56年ぶり、日本女子として初の3連覇がかかる。「完璧な演技をできるように頑張ります」。今季主要大会で負けなしの実力を遺憾なく発揮する。

 ◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年4月9日、神戸市出身。4歳でスケートを始めた。神戸野田高を経て、神戸学院大経営学部を卒業。16年全日本ジュニア選手権で初優勝し、17年世界ジュニア選手権は銅メダル。シニアデビューの17年に全日本選手権で2位に入り、18年平昌五輪で6位に入賞した。18年四大陸選手権を制し、同年全日本選手権で初優勝。22年北京五輪で銅メダル、23年GPファイナルで金メダルを獲得した。世界選手権は22年から2連覇中。159センチ。

 ◆世界選手権代表選考 各3枠の男女は全日本選手権優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本の2、3位やGPファイナル上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟公認のシーズン最高得点の上位3人から選考し、3人目は世界ランキングなども加味して選出。全日本出場は必須だが、けがで欠場のペア三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)は昨季世界選手権優勝の実績で選考対象となった。

 ◆女子3連覇は10人目 女子の3連覇は坂本が10人目で、2014~17年に4連覇した宮原知子以来。最多は渡部絵美と伊藤みどりの8連覇で、浅田真央は06~09年の4連覇を含めて計6度優勝。

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