23歳の平野美宇「若手の壁になる」パリ五輪切符懸かる来年1月の全日本選手権へ決意 色紙には藤井聡太八冠流「雲外蒼天」
卓球女子シングルスでパリ五輪代表争いの2番手につけている平野美宇(23)=木下グループ=が25日、東京都新宿区の所属本社で取材に応じ、代表レース最終戦となる来年1月の全日本選手権(東京体育館)に向けて、「今回で全てが決まる。最後に絶対自分が(パリに)行くんだと強い気持ちを持って戦いたい」と決意を表明した。
2枠のシングルス切符を争う3番手の伊藤美誠(スターツ)との差は34・5点とわずかで、今回優勝すれば120点となる。平野は追われる立場で迎えるが、「(伊藤とは)ほぼ同じ所からのスタート。(リードは)いい意味で気にしない」と横一線を強調。「優勝したい気持ちはもちろんあるが、今の日本は優勝したいと言って簡単に優勝できるレベルではない。初戦から決勝のつもりで1回ずつ戦い抜くことが目標」と力を込めた。
平野と伊藤は別のブロックに入り、決勝までは直接当たらない。ただ、同じブロックには森さくら(日本生命)や安藤みなみ(トップ名古屋)といった実力者や、前回敗れている19歳の大藤沙月、佐藤瞳(ミキハウス)、さらに準決勝まで進めばパリ五輪代表を決めている早田ひな(日本生命)とぶつかる険しい道となる。
決勝まで進めば、伊藤の結果に関係なく五輪切符が確定するものの、平野は「初戦(のブロック)から実力者がたくさんそろっている。どんな場面でも自分のプレーをすることが勝ちにつながる」と強調。また、国内外で快進撃を続けている15歳の張本美和(木下アカデミー)や木原美悠(19)=木下グループ=ら若手の台頭も著しいだけに「若い選手や勢いのある選手が多い中で、(若手の)壁になるような存在になりたい」と決意を込めた。
大会に向けた抱負として、色紙には「雲外蒼天」と記入。所属チームの倉嶋洋介総監督からもらった言葉だといい“試練を乗り越えれば素晴らしい結果が待っている”という意味だが、将棋の藤井聡太八冠がよく揮毫(きごう)する四字熟語でもある。平野自身は藤井八冠のことは詳しくは知らなかったというものの、「自分が苦しい時もあったが、それを乗り越えれば、逃げなければ、いい未来が待っている。それを信じて戦いたい」と重ねた。
◆パリ五輪代表選考ポイント女子上位5人(12月11日発表)
(1)早田ひな=790・5点
(2)平野美宇=486点
(3)伊藤美誠=451・5点
(4)木原美悠=354点
(5)張本美和=330・5点
※全日本選手権の選考ポイント配点
優勝=120点、準優勝=100点、3~4位=80点、5~8位=50点、16強=20点、32強=10点