新小結の宇良「自分にはなれないと思っていた」幕内経験者が序二段降下後に新三役は史上初「あきらめずにやってよかった」
大相撲初場所(来年1月14日初日、両国国技館)の新番付が25日、発表され、宇良(木瀬)が新小結に昇進した。国技館で会見した宇良は「うれしい。自分にはなれないと思っていた」と喜びを口にした。
175センチの小兵。膝の大ケガで引退危機も経験しているだけに「引退も考えたが、本当にケガする前の自分を超えられた点でも、あきらめずにやってよかったなと思う」とうなずいた。幕内経験者が序二段降下後に新三役となったのは史上初。「初めての人間だというつもりで頑張ったわけではないけど、評価していただくうえで、そういう情報を調べていただいたことがうれしい」と“宇良節”で喜びを表した。
31歳6カ月の新三役も、平成以降5位の高齢昇進となる。「もっと早くと言いたいところだけど、僕の中ではそういう地位でもなかった。遅くても一度でも昇進できたのは御の字という気持ち」と正直な気持ちを吐露。一方で三役につながった要因には「相撲とりになってから日々あきらめることなく稽古に励むことができたのが今日につながったと思う。一日一日やることに取り組んでいけたというのは、自信を持っていえます」と胸を張った。
長年努力して増量に励んだ結果、体重は140キロを超えた。正攻法で勝つ相撲も増えたが、持ち味の多彩な技についても「封印したことはない。引き出しとして、いつでも引き出せる。場面があれば、積極的に狙っていきたい」と“業師”のプライドものぞかせた。新三役として臨む初場所へ「ケガなく15日間とりきることと、お客さんに『元気をもらった』と言ってもらえるような相撲をとることが目標」と意気込んだ。