宇良「諦めずにやってよかった」 2度の大けが乗り越え小結昇進!ついに新三役 史上初、幕内経験者が序二段転落からはい上がる

 大相撲初場所(来年1月14日初日、両国国技館)の番付が25日、発表され、人気業師の宇良(31)=木瀬=が新小結に昇進した。幕内経験者が序二段まで降下後、新三役となるのは史上初。31歳6カ月での新三役も、平成以降5位の高齢昇進となった。大の里(二所ノ関)は初土俵から所要4場所で新入幕となり、昭和以降3位タイのスピード昇進。島津海(放駒)も新入幕を果たした。                

 自分の想像を超えた。175センチの小兵。膝の大ケガで、2度の長期離脱も経験した。ついにつかんだ三役の座。国技館で会見した宇良は「自分にはなれないと思っていた。引退も考えたが、ケガする前の自分を超えられた点でも、諦めずにやってよかったなと思う」と感慨をにじませた。

 幕内経験者が序二段降下後に新三役となったのは史上初。快挙にも“宇良節”は健在だった。「初めてのつもりで頑張ったわけではないけど、そういう情報を調べていただいたことがうれしい」と喜びを表現。31歳6カ月の高齢昇進には「もっと早くと言いたいところだけど、遅くても一度でも昇進できたのは御の字」と正直に吐露した。

 一方で三役につながった要因を問われると「一日一日やることに取り組んでいけたというのは、自信を持って言えます」と胸を張った。長年努力して増量し、体重は140キロを突破。正攻法で勝つ相撲は増えたが、持ち味の多彩な技についても「封印したことはない。いつでも引き出せる。出せる場面があれば、積極的に狙っていきたい」と“業師”のプライドものぞかせた。

 小結として臨む初場所。「ケガなく、お客さんに『元気をもらった』と言ってもらえるような相撲をとる」と宇良。2024年も目が離せない取り口で、土俵を沸かせる。

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