元部員不祥事の京都成章 一丸72点の大勝発進 太田主将「結束力が高まった」、目標の「シード校撃破」へ突き進む
「全国高校ラグビー・1回戦、京都成章72-12富山第一」(28日、花園ラグビー場)
1回戦10試合が行われた。ノーシードながら優勝候補の一角と目される京都成章は72-12で富山第一に大勝した。7月に、卒業した同校の元部員らが大麻取締法違反で逮捕される事件があったが、関崎大輔監督(34)を中心に現役選手一丸で乗り越えた。30日の2回戦でBシードの石見智翠館(島根)と対戦する。
いきなり流れをつかんだ。前半2分、敵陣でのラインアウトからラック、素早いパス回しでWTB尾関仁(1年)が左中間へ飛び込むと、そこからさらに6つのトライを重ねて41-0で前半を終えた京都成章。
同16分には左太ももを痛めながら「1回戦は出たい」と出場を直訴したCTB太田陸斗主将(3年)も、しっかりと主導権を握ったところでベンチに下がった。
後半も2トライは許したが、さらに31点を重ねての大勝だ。
7月の事件に関してはもちろん「現役の子は悪くない」(関崎監督)ながら、心ない誹謗中傷も届いたという。同監督が生徒一人一人と対話を重ね、また生徒たちが決めた「あいさつ、清掃、無遅刻など生活をしっかりと見つめ直す」ことに取り組み、チーム一丸で乗り越えてきた。
それにより「結束力が高まった」(太田主将)という同校。失点や、相手タックルに押し込まれるなど課題も見えたが、この勝利でひたむきにラグビーに向かう姿勢は見せられた。あとは目標の「シード校撃破」へ突き進むのみだ。