往路新Vの青学大・原監督、「想定外」の圧勝劇 導いた選手の底力 12月インフルエンザ集団感染「シード取れるかのレベルからよく戻した」

 往路優勝のゴールテープを切る青学大・若林宏樹
 平塚中継所トップでタスキをつなぐ青学大3区の太田蒼生(左)と4区の佐藤一世=代表撮影
 区間賞の快走を見せる青学大3区の太田蒼生(左は駒大3区の佐藤圭汰=代表撮影
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 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場)

 王座奪還を狙う青学大が5時間18分14秒の往路新記録で2年ぶり6度目の往路優勝を飾った。2位の駒大に2分38秒差を付けた。

 優勝インタビューで原晋監督は「本当に素直にうれしい。駒沢一強と言われた中で、“負けてたまるか大作戦”。本当に学生が頑張ってくれた。魂のこもった頑張りだったと思います。学生にありがとうと言ってあげたい」と、選手をたたえた。

 また、前日に石川県能登地方を襲った最大震度7の地震についても触れ「昨日の能登震災で開催できるかどうか、多くの被災にあわれた方がいる中でこうして箱根駅伝ができることに感謝申し上げたい」と、被災地に思いを込めた。

 偉業へ死角なしかと思われた駒大に立ちはだかったのは、百戦錬磨の名将率いるフレッシュグリーンの軍団だった。1区の荒巻朋照(2年)は首位駒大と36秒差の9位につけると、当日変更で起用された2区の黒田朝日(2年)が区間賞の快走で2位に浮上。駒大との差を22秒につめた。さらに同じく当日変更で起用の3区太田蒼生(3年)が同区間日本人初の1時間切りの激走で駒大の“怪物”佐藤圭汰(2年)を逆転し首位に。4区佐藤一世(4年)も区間賞で突き放し、5区の若林宏樹(3年)も原監督から「“若の神”から“山の神”になれるよ」というゲキに応えた粘走で歓喜のゴールテープを切った。「負けてたまるか大作戦」を掲げた原晋監督の采配がズバリと当たり、選手たちも起用に応える走りをみせた。

 その後の取材では「(勝因は)ピーキングでしょう。学生たちが本当に120%の力を出してくれた。私自身が想定していなかった。素晴らしい」と、改めて選手たちを称賛。「佐藤一世なんかは、11月にインフルエンザ、12月は虫垂炎でほとんど練習できてない。よく走ってくれた。今日走ったメンバーは、荒巻以外はみんな12月にインフルエンザにかかった。シードとれるかどうかのレベルだったが、ここまでよく戻してくれた」と明かした。

 駒大に大きなリードを奪っての復路。「想定外ですよ。あんなこと起こると思いませんよ」と笑いながら、「我々はそこまで100回大会意識していない。100分の1だと思っているので」と泰然自若に見据えた。

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