青学大のスーパー往路新Vに各校脱帽 駒大・藤田監督「なかなか厳しい」城西大・櫛部監督「相手が一枚上」速すぎて16校が復路一斉スタートに
「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町芦ノ湖駐車場)
王座奪還を狙う青学大が5時間18分14秒の往路新記録で2年ぶり6度目の往路優勝を飾った。2位の駒大に2分38秒差を付けた。
優勝インタビューで原晋監督は「本当に素直にうれしい。駒沢一強と言われた中で、“負けてたまるか大作戦”。本当に学生が頑張ってくれた。魂のこもった頑張りだったと思います。学生にありがとうと言ってあげたい」と、選手をたたえた。
出雲5位、全日本2位で劣勢かと思われた青学大が驚異的なレコード駆けで5時間20分切りの超絶往路新をマークした。想定以上の高速レースに8位大東大以降からは10分以上の差がついており、復路では16校が一斉スタートに。ここ一番での勝負強さをみせた新緑軍団に、脱帽の声があがった。駒大・藤田監督は「3区の(青学大)太田くんが想定以上だった。あそこでチームとして精神的に動揺した」と語り、「5時間20分は想定していたが、18分までは想定できていなかった」と明かした。2分38秒差については「なかなか厳しいなというのはある」としつつ、「チームとしてもう一度戦う姿勢をみせたい」と、語った。3位に入った城西大の櫛部監督は「青学は素晴らしいとしか言いようがない走り。相手が一枚上だった」と、脱帽した。
4位の東洋大・酒井監督も「さすがに20分切りはビックリしましたけど」と驚きを口にした。5位の早大・花田監督は「原さんがここに向かってピーキングされていた。駒沢さんは誤算があったのかな。青学さんは乗ったら強いという青学らしい走りをみせた」と称えた。
偉業へ死角なしかと思われた駒大に立ちはだかったのは、百戦錬磨の名将率いるフレッシュグリーンの軍団だった。1区の荒巻朋照(2年)は首位駒大と36秒差の9位につけると、当日変更で起用された2区の黒田朝日(2年)が区間賞の快走で2位に浮上。駒大との差を22秒につめた。さらに同じく当日変更で起用の3区太田蒼生(3年)が同区間日本人初の1時間切りの激走で駒大の“怪物”佐藤圭汰(2年)を逆転し首位に。4区佐藤一世(4年)も区間賞で突き放し、5区の若林宏樹(3年)も原監督から「“若の神”から“山の神”になれるよ」というゲキに応えた粘走で歓喜のゴールテープを切った。「負けてたまるか大作戦」を掲げた原晋監督の采配がズバリと当たり、選手たちも起用に応える走りをみせた。