青学大 大会新で2年ぶりV 原監督「大輪」300%!10人中7人がデビューで完全勝利

 総合優勝を果たし、胴上げされる青学大・原晋監督(代表撮影)
 総合優勝のゴールテープを切る青学大・宇田川(撮影・伊藤笙子)
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 「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 往路1位の青学大は10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶり7度目の優勝を果たした。往路3区からトップを守り続ける完全V。原晋監督(56)が掲げた「負けてたまるか!大作戦」の合言葉を具現化した圧勝劇で、出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した駒大の2年連続3冠を阻止した。第100回のメモリアル大会を制したフレッシュグリーンのタスキが新たな100年に向け、再び最強時代を築く。

 メモリアル大会のクライマックスを待つ大手町に、フレッシュグリーンのたすきが真っ先に帰ってきた。アンカー宇田川瞬矢(2年)が両手を大きく広げ、ゴールテープを切る。“負けてたまるか!大作戦”は大成功。歓喜の中心で、原監督が3度、宙に舞った。

 「大作戦は200%どころではなく、300%!青学が勝つときは大輪を咲かせる勝ち方をする。みんな勝つと思ってなかったでしょ?予期せぬ胴上げだったんで、ダイエットしておけばよかった」

 駒大1強と目されていた今大会。往路3区から首位に立ち、復路も独走した。6区の野村昭夢(3年)が区間2位で快走すると、8区の塩出翔太(2年)、9区の倉本玄太(4年)が区間賞を獲得。完全優勝を果たし、野村は「10人だけじゃなく裏方メンバーのおかげ。素直にうれしい」と頬を緩めた。

 「復路は先頭車に引かれながら走るのと、(2位以下の)単独走では全然環境が違う。お見通し。6区で3分空いて勝負あった」と指揮官。経験値を生かした采配で、10人中7人が箱根デビューにもかかわらず、2位に6分35秒差をつけて他大学を圧倒した。

 名将・原監督も就任20周年。箱根出場経験のない36歳が、指導者の道に飛び込んだ。当初は嘱託契約で3年以内の結果が求められたが、勝負の3年目とななる2006年予選会は16位と惨敗。ただそれでも諦めなかった。各所に頭を下げ、1年の契約延長を直訴。翌07年の予選会は惜しくも本戦出場次点となったが、関東学生連合の監督として箱根路に立ち、歴代最高4位に導いた。

 その手腕を買われ、青学大で正規職員として契約。09年予選会を33年ぶりに突破すると、本戦は15年から4連覇。直近10年で7度も箱根を制する常勝軍団を作り上げた。隣で支えてきた妻・美穂さんは「このままじゃ終われないというのが強かった。負けてたまるかって」。崖っぷちだった夫の心情に思いを巡らせた。

 「もう一度4連覇…。(大会史上最長の)6連覇を目指していこうかな」と原監督。56歳となった今でも、フレッシュグリーンのように澄んだ瞳は、箱根路の新たに始まる100年を見据えていた。

 ◆青学大陸上競技部 1918年創部。箱根駅伝は43年に初出場を果たした。2004年に原晋監督が就任し、09年に33年ぶりに本戦復帰を果たした。15年に初優勝し、18年まで4連覇を達成。20、22年も優勝した。16年度は大学三大駅伝を制覇した。たすきの色はフレッシュグリーン(新緑)。主なOBはプロランナーの神野大地。

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