青学大6分35秒差の圧逃劇 原監督の妻で寮母・美穂さんも「ウルっときた」

 「箱根駅伝・復路」(3日、箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 往路を制した青学大が10時間41分25秒の大会新記録で、2年ぶり7度目の総合優勝を果たした。8区の塩出翔太(2年)、9区の倉本玄太(4年)がともに初の箱根で区間賞を獲得。出雲全日本選抜と全日本を含めた、史上初となる2季連続大学三大駅伝3冠を狙った駒大は、6分35秒差の2位だった。

 原監督の妻で寮母の美穂さん(56)は「半分駒沢さんに(優勝を)持っていかれるかと思ったが、学生には頭が下がる。絶対俺たちがやってやるという気持ちが出ていて、(前日も)往路のゴールは感動してウルっときた。20年やってきて、こんなことがあるんだな」と目を潤ませた。

 04年4月の監督就任当初は“負け犬根性”がまん延していた弱小チームを常勝軍団に引き上げた。ただ、この2年は駅伝タイトルから遠のき、指揮官もナーバスに。学生の自主性に任せる名将も、大会直前の感染症などのトラブルを恐れ、オフに遊ぼうとする選手に「やったら終わりだよ」と口を出すこともあったという。

 “駒大1強”といわれ、直前にはインフルエンザ集団感染もあったが、勝負の箱根に向けては「負けてたまるか!」と選手を、そして自身を鼓舞した。ひねりのない作戦名だったが、美穂さんは「今回はすぐに決まったって。ビビビっときた年って、それがうまくいったりするんですよね」と笑った。

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