【東田哲也の観戦記】高校ラグビーのレベルかなり上がった 伏見工7-3大阪工大高をちょっと思い出した

 「全国高校ラグビー・決勝、桐蔭学園8-5東福岡」(7日、花園ラグビー場)

 Aシード同士の決勝戦が行われ、桐蔭学園(神奈川)が3大会ぶり4度目の優勝を果たした。前回大会は神奈川決勝で敗れて出場を逃し、2大会ぶりの出場となったが、初めて決勝で東福岡(福岡)を破り、昨春の全国選抜大会との2冠を達成。2連覇を狙った東福岡は僅差で及ばなかった。両校とも強力なディフェンスで緊迫した展開となった一戦は、桐蔭学園が前半にPGとWTB田中健想(3年)のトライで奪った8点を守り切った。

  ◇  ◇

 決勝戦でこんなロースコアの展開になるとは、あまり想定できませんでした。私が出場した第60回大会の決勝戦(伏見工7-3大阪工大高)を、ちょっと思い出しました。ただ、両校とも本当にディフェンスが素晴らしかったと思います。

 桐蔭学園は個々が強いうえに、ファーストアタックのあと2、3人目のサポートがあり、そこから3メートルでも5メートルでもゲインできます。この前進する強さで前半はほぼ相手の陣地でゲームを進めました。そして勝敗の大きなポイントとなったのは、前半の終盤に東福岡が攻め込みながら、桐蔭学園が無失点で乗り切ったところです。ここをしのぎ切ったのは大きかったですね。

 東福岡も後半16分に神君がトライ。その後もオープンに展開したときは本当にワクワクしました。こういう攻めをもっと増やせれば勝機もあったでしょう。ただ、それをさせなかった桐蔭学園の守備力が上回りました。

 今大会を総括すると、やはり桐蔭学園と東福岡の実力が抜けていた印象です。高校生のレベルもかなり上がっています。両チームの主将、ともにナンバー8の城君と高比良君、東福岡のWTB西浦君が未来の日本代表として活躍してくれることを期待したいですね。(六甲クラブ総監督、元日本代表WTB)

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