帝京大3連覇「ONE HEART」胸に12度目頂点 江良主将「味わったことないうれしさ」

 3連覇で12度目の優勝を決め、喜ぶ帝京大フィフティーン(撮影・佐々木彰尚)
 トライを決める帝京大・江良
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 「ラグビー・全国大学選手権・決勝、帝京大34-15明大」(13日、国立競技場)

 帝京大が明大に34-15で勝利した。12度目の頂点に立ち、史上初となる2度目の3連覇を達成した。前半を14-12で折り返すと、後半にも2トライを挙げて突き放した。悪天候によって前半23分の時点で一時中断となったが、約55分間後に再開される異例の事態も乗り越えた。明大は創部100周年の節目を5大会ぶり14度目の優勝で飾れなかった。

 赤い歓喜の輪を冷たい“紙吹雪”が祝福した。ノーサイドの瞬間、雪でびしょびしょになったフッカー江良颯主将(4年)はベンチと観客席を見て涙。「今まで味わったことのないうれしさ。みんなの喜ぶ姿を見られて幸せ」。3連覇の中で特別な優勝をかみしめた。

 イレギュラーの連続にも落ち着いていた。7-0とリードしながら、前半23分で悪天候のため約55分間の中断。再開直後、同25分の味方のトライもTMO(テレビジョンマッチ・オフィシャル)で取り消される嫌な雰囲気の中でもキャプテンは冷静だった。

 「(決勝のみ)TMOがあるのは分かっていたので焦りはなかった。もう一回モールを組めれば取れる」。同26分、モールから最後は江良がトライを奪い流れを渡さなかった。最終的に19点差に広げ、試合を通じて一度もリードを許さなかった。

 就任1年目から2年連続の優勝を果たした相馬朋和監督(46)は「いつもとは違うプレッシャーの中、やってきたことを信じて一秒一秒を積み重ねていく姿を誇らしく、楽しく、うれしく見させていただきました。本当に江良キャプテンがつくった素晴らしいチーム」とたたえた。

 スローガン「ONE HEART」を掲げ、部員140人全員で戦った。今季も対抗戦全勝から日本一にたどり着く圧倒的な強さ。試合後に流れた涙は達成感から。「みんなが観客席から降りてきたときの笑顔、姿を見たらONE HEARTやなあって」と江良。頂点に立って、その言葉を体現してみせた。

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