レスリング藤波朱理が“ヤマ場”乗り越え133連勝 異例の五輪代表対決で1階級上の桜井に殊勲星「リスクある挑戦、逃げたらダメ」

 リーグ戦で3勝を挙げ敢闘賞に輝き、正道会館の石井和義館長(手前左)から記念品を贈呈された藤波朱理(同右)
 リーグ戦で3勝を挙げた藤波朱理(奥)。手前は父の藤波俊一コーチ
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 「レスリング・東日本大学女子リーグ戦」(14日、国学院高)

 3人制の団体総当たり戦として行われ、日体大は育英大に1-2で敗れた。女子53キロ級でパリ五輪代表の藤波朱理(20)=日体大=は59キロ級で出陣し、57キロ級世界女王でパリ五輪代表の桜井つぐみ(22)=育英大=に5-0で勝利。異例の五輪代表対決を制すなど今大会3勝を挙げ、中学2年から続く自身の公式戦連勝記録を「133」に更新した。

 五輪イヤーの24年初戦、自身の“131連勝目”は大きなヤマ場となった。大学対抗の団体戦で、1階級上の桜井とのパリ五輪代表対決が実現。「すごく強い選手なので、少しの隙を絶対に逃さないという思いで挑んだ」。藤波は片足タックルで先制すると、組み手でも力負けせず、最終盤にも相手をつぶして追加点を挙げた。階級が上の世界女王を無失点に封じる殊勲星で、連勝街道をさらに伸ばした。

 五輪代表が決まっている者同士の公式戦での対戦は極めて異例だが、藤波は桜井との対戦を期して団体戦出場を決めたといい、「つぐみさんも(この大会に出るにあたり)すごい覚悟で来たと思うが、自分もそれに応えたかった」。合宿でスパーリングすることはあるものの、公式戦で対戦するのは自身が高校1年だった19年インターハイ決勝以来。周囲からは「大丈夫なん?」と、連勝記録ストップも心配されたという。

 いつもは連勝記録については意に介さない20歳も、今大会に臨むに当たっては「意識しないようにしていても意識してしまうところがある」と吐露。それでも至高の腕試しで勝利を挙げ、「この挑戦自体すごくリスクがあったが、絶対にここで逃げたらダメだと感じていた。結果的に勝つことができて(よかった)。全てはパリのために頑張りたい」とうなずいた。

 敗れた桜井はけがなどで調整不足もあったというものの、「もちろん勝つつもりで挑んだ。もっと万全で挑みたかったという気持ちはあるが、(藤波は)ずっと勝っている選手なので本当に強いなと感じた」と脱帽し、「悔しい気持ちはあるが、自分より上の選手がいるのは自分にとって良いこと。合宿でもそういう選手と練習していたら五輪でも勝てるんじゃないかな」と刺激を受けた。藤波も「パリでは(桜井と)2人で金メダルを取りたい」と絆を深めていた。

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