大の里 連勝発進 因縁の琴勝峰に豪快リベンジ 故郷・石川に明るいニュースを「地元の思い背負って」
「大相撲初場所・2日目」(15日、両国国技館)
平幕の大の里が、琴勝峰を撃破して連勝発進を決めた。2年連続アマチュア横綱で角界入りし、デビューから5場所目で新入幕を迎えた新星は石川県津幡町出身。初めての懸賞金も手にして、復興を願い土俵から元気を届ける。3場所連続休場明けの横綱照ノ富士は、平幕若元春に金星を献上。綱とりに挑む霧島を含め、3大関は安泰だった。大関とりの関脇琴ノ若は、豪ノ山を下して2連勝とした。
期待の大器が快勝発進だ。大の里は琴勝峰の突き押しを1歩も下がることなく受け止めると、右をのぞかせて前進。左ハズも使って最後は荒々しく土俵の下まで吹き飛ばした。先場所の十両で、本割と優勝決定戦で2連敗した因縁の相手に強烈なリベンジを果たし、「意識するものはあった。同じ失敗をしなくてよかった」と大粒の汗を拭った。
身長192センチ、体重176キロ。2年連続アマチュア横綱の肩書を引っ提げて、昨年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。幕下を2場所でクリアすると、十両でも2場所連続で12勝をマークし、5場所目で新入幕を果たした。まだ髷(まげ)も結えないざんばら髪。スピード出世を自身も予想していなかったのか、初の懸賞金を受け取る手刀はぎこちなかった。「練習していなかった」と頭をかき、「初めて(懸賞を)頂いて使い方が分からない。師匠(元横綱稀勢の里の二所ノ関親方)にプレゼントできれば」と初々しく笑った。
発奮材料がある。故郷は石川県津幡町。年内に帰京したため自身は能登半島地震の影響は受けなかったが、実家は被災し、家族は避難生活を余儀なくされた。
「いい姿を見せるのが一番。しっかり地元の思いを背負って頑張りたい」。今の自分にできることは白星を積み重ねて、少しでも明るいニュースを故郷に届けること。「先は長い。一番一番集中して頑張ります」。23歳のホープが思いのこもった白星を届けていく。