朝乃山 平幕唯一4連勝 能登半島地震被災者に元気届ける「北陸出身力士は、より一層気合が入る」

 「大相撲初場所・4日目」(17日、両国国技館)

 元大関の朝乃山が北青鵬を寄り切り、平幕でただ1人の4連勝を飾った。過去2戦2敗だった難敵に初勝利。北陸出身の力士として、能登半島地震の被災地を元気づける活躍を届ける。貴景勝が休場した大関陣は、綱とりを狙う霧島が翠富士に屈して初黒星。豊昇龍は送り投げで若元春に勝ち、4連勝。横綱照ノ富士は豪ノ山を退け、1敗を守った。勝ちっ放しは豊昇龍、関脇琴ノ若、朝乃山の3人。

 速かった。鋭く踏み込んだ朝乃山は、当たった瞬間に北青鵬の左前みつを引いた。そして休まなかった。右をのぞかせながら、一気に寄り立てた。回り込もうとする相手に体を寄せ、粘る隙を与えずに俵を割らせた。

 204センチの北青鵬には昨年夏場所、名古屋場所と連敗していた。「土俵際で残られて決めきれずに止まると、あっちの方が有利」とイメージ。教訓を忘れずに攻め続けた。「最初のところで決められなかった。もっと腰を割っていかないと」と反省を忘れず、平幕唯一の4連勝発進も「一日一番、まだ4日目」と意に介さなかった。

 能登半島地震で富山市の家族は無事だったが、停電や断水があった氷見市在住の祖母には水を10ケース送った。隣県の石川県は甚大な被害を受けた。「北陸出身力士は、より一層力が入るんじゃないですかね」。被災者に元気を届けるという思いは、常に胸にある。

 18日で近大相撲部元監督の伊東勝人さんが亡くなって4年。「一つに絞れない。教わりすぎた」というほど指導を受けた恩師の命日を前に、白星を並べた。初優勝した20年夏場所以降、初日から4連勝した4場所全てで2桁勝利を挙げている。「いい成績を残して30代にいきたい」という20代最後の場所。朝乃山が主役の座を狙う。

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