大の里 電車道!王鵬との平幕1敗対決制した「久々に勝ててよかった」新入幕が台風の目に

 「大相撲初場所・7日目」(20日、両国国技館)

 新入幕の大の里が王鵬との平幕1敗対決を制し、6勝目を挙げた。最大の武器である立ち合いからの出足で圧倒。2年連続アマチュア横綱に輝いた大器が、今場所の台風の目となる。綱とり挑戦の大関霧島は北勝富士を下して1敗を堅守。横綱照ノ富士は正代に屈して2敗に後退した。平幕朝乃山がただ1人の全勝でトップ。1敗で霧島、関脇琴ノ若、大の里、阿武咲の4人が追う。

 デカく、激しく、そして強い。まるでダンプカーのような迫力。192センチ、183キロの大の里が191センチ、179キロの王鵬に立ち合いでぶつかると、重い衝撃音が響いた。踏み込んで右を差すと、回り込もうとする相手を逃さない。左もおっつけ、電光石火の2秒6で寄り切り。観客からは「お~」という感嘆の声が上がった。

 同じ2000年生まれで1学年上の先輩関取を圧倒。高1時の十和田大会以来の対戦で再び勝利を収め「久々に勝ててよかった。向こうはずっと強い選手だった。幕内の土俵で戦えてよかった」と頬を緩めた。

 初土俵から所要4場所での新入幕。同じ二所ノ関部屋の“仲良しトリオ”の結束が快進撃を支えている。新潟・海洋高と日体大の1年先輩、十両白熊と幕下嘉陽と部屋近くの飲食店に出かけるのが今場所中のルーティン。前夜は負けて落ち込む白熊をマクドナルドに連れ出し、ハンバーガーやナゲットをテイクアウトした。

 この日は今場所初めて3人そろって白星。「何でも、弱音も言える関係。毎日“作戦会議”しているのでよかった」と喜ぶと「田海先生(海洋高相撲部・田海哲也総監督)の奥さんが来ていたので勝ちたかった」と明かして笑顔を見せた。

 1敗を守り、中日は同じ石川県出身の大先輩・遠藤と対戦する。「石川の人がいっぱい見ていると思うので頑張ります」と大の里。しこ名通りのスケール感で、2024年幕開けの場所を席巻する。

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