新入幕・大の里 スピード勝ち越し 八角理事長「双葉山くらいまでやってほしい」 23日に琴ノ若と1敗対決

 明生(右)を破り勝ち越しを決めた大の里(撮影・棚橋慶太)
 明生(手前)を寄り切りで破った大の里
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 「大相撲初場所・9日目」(22日、両国国技館)

 平幕大の里が明生を寄り切り、1敗をキープ。新入幕力士がスピード勝ち越しを決めた。元関脇の三役経験がある強敵相手にも隙を見せずに圧倒した。大関とりを狙う関脇琴ノ若も1敗を死守。10日目は2人の対決が組まれた。横綱照ノ富士は錦木を下して2敗を堅守。綱とり挑戦の霧島と豊昇龍の大関陣も2敗を守った。平幕朝乃山が9日目から休場で2敗目となり、トップは1敗の琴ノ若、阿武咲、大の里の3人となった。

 新星・大の里の勢いは止まらない。そして止める隙もまだ見せていない。明生が繰り出そうとした得意の左四つも脇を固めてガード。流れるように右を差し、馬力の強さを生かして腕1本で相手を土俵際に追い詰めると、最後はかいなを返しながら完封の寄り切り。元三役力士でさえ打ち破ってみせた。

 あまりにも早い勝ち越し。9日目までの新入幕力士の勝ち越しは16年九州場所の石浦以来。平成以降では7人目で、元大関豪栄道や元関脇逸ノ城らに並ぶ。ただ、大の里は初土俵の昨年夏場所から、所要4場所で幕内に上がったばかり。自身の快進撃は「想像してなかった」ものだ。

 192センチ、183キロ。体格だけでなく、取る相撲もスケールの大きい23歳に、期待感は増すばかり。八角理事長(元横綱北勝海)の目には「69連勝した双葉山くらいまでやってほしいよね。照ノ富士とがっぷりやったらどうなるかな」と横綱が比較対象になるほど。10日目は初の三役力士との対戦になる琴ノ若との1敗対決が組まれた。

 番付下位が正真正銘、今の関脇に挑む。大の里は取組に目を丸くしたが「向こうの方が上。胸を借りるつもりでやりたい」とチャレンジャー精神で臨むだけ。トップの優勝争いも「何も考えてない。本当に」と無欲に、がむしゃらに突っ走った先に賜杯は待っている。

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