「卓球・全日本選手権」（２３日、東京体育館）

　世界ランク１５位の張本美和（１５）＝木下アカデミー＝がジュニア女子３回戦から今大会初登場し、３試合を全て３－０のストレート勝ちで８強入りした。今大会ジュニア、女子シングルス、同ダブルスの３種目で優勝候補と目されるスーパー中学生は「ジュニアで目指すのはもちろん優勝。一般の部は昨年ベスト１６だったので、まずはそれを超えることを目標に、最終的には優勝したい。コツコツ１試合ずつ頑張りたい」と語った。

　今大会初戦となったジュニア３回戦は、Ｔリーグ最年少出場記録を持つ小学４年の松島美空（１０）＝京都カグヤライズ＝との「天才少女」対決となったが、難なく撃破した。コートに入る前は踊るしぐさを見せていたが、試合前には猛烈な緊張に襲われたといい、「ダンスをしないと緊張が抑えきれないくらいだった。ダンスをして体が軽くなって、良い状態で臨めた」と頬を緩めた。

　今大会が最終選考対象となるパリ五輪代表選考レースでは現在５番手。２枠のシングルス代表には届かなかったが、昨年１１月の選考会を制すなど国内外で猛アピールしており、強化本部推薦となる３枠目の団体戦代表も射程圏に捉えている。

　周囲の注目には「ありがたい」と目を丸くしつつも、「自分が（五輪シングルス代表の）２枠に入る可能性はもうないので、毎年のように全日本選手権でしっかり頑張るという気持ちで今はいる。五輪レースを頭に入れないわけではないが、悔いのないように最後までやり切れたらいい」と冷静に受け止めている様子。「（代表選考は）自分自身でどうこうできるものではないので、成績を出すことが私にできる全てのこと。ランキングも１つ１つ上げていきたいので、（五輪代表に）入らなくても自分が行けるところまで行きたい」と落ち着いた口ぶりで語った。