豊昇龍 因縁の大の里ぶん投げた 高校時代にも対戦「絶対負けたくない気持ちあった」

 大の里(右)を退け2敗を守った豊昇龍(撮影・堀内翔)
 支度部屋で取材に応じる豊昇龍
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 「大相撲初場所・11日目」(24日、両国国技館)

 大関豊昇龍(立浪)が新入幕の大の里(二所ノ関)との2敗対決を下手投げで制した。1学年下の大器との高校時代以来の対戦で、番付の重みを示す快勝。2度目の賜杯へ弾みとなる白星で、トップを1差で追走する。1敗の琴ノ若(佐渡ケ嶽)は王鵬(大嶽)を下し、単独先頭のまま。横綱照ノ富士(伊勢ケ浜)、綱とりがかかる大関霧島(陸奥)はともに2敗を守った。

 心地よい勝利の余韻を、風呂上がりの豊昇龍が漂わせた。1歳しか違わない新星との対決。大関の貫禄を見せた相撲に、自ら過去にさかのぼる因縁を語り出した。

 「大の里と高校以来の対戦なので、聞いた瞬間、楽しみにしていた。新入幕だし、絶対負けたくない気持ちはあった」

 記憶は鮮明だった。自身が日体大柏高3年、大の里が新潟・海洋高2年時の金沢大会。「その時は勝った。内掛け。土俵際で危なかったけど」と、スラスラと説明した。

 7年の時を経て、勢い十分の大の里を返り討ちにした。立ってすぐ左上手と右下手を引き、出てきた相手に待ってましたとばかりの下手投げ。一緒に土俵下に落ちたものの「狙い通り」と余裕十分だった。大の里については「やはり強いと思う。体も大きいし、突きも四つもできる。この後、何度も対戦すると思う」と称賛。認めるからこそ、負けられなかった。

 気が引き締まる出来事もあった。9日目の朝、部屋を訪れた叔父の元横綱朝青龍から「パーティーがあるんだから。お前の成績で変わるんだよ。(来場者が)つまらなくなるから、頑張らないと」とゲキを飛ばされた。2月12日に開催する大関昇進祝賀会に、ふがいない成績で臨むわけにはいかない。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「ゆっくり技術的なことも教えてくれたら」と希望しつつ「豊昇龍も自分の相撲は大事に思っている。それでいいのでは」と、偉大な叔父にも自分を貫く成長を感じとった。

 11日目を終えて2敗は、初優勝を飾った昨年名古屋場所以来。「そこは気にしていない。一日一番大事にしていきたい」と豊昇龍。もう1人の大関がギアを上げてきた。

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