照ノ富士 4場所ぶり復活V見えた 超新星・大の里ぶん投げ完勝!格の違い見せつけた
「大相撲初場所・12日目」(25日、両国国技館)
横綱照ノ富士が新入幕の大の里を上手投げで退け、2敗を守った。注目の大器に格の違いを見せつける完勝。3場所連続休場明けで優勝争いという横綱の責任を果たし、4場所ぶり9回目の復活Vが見えてきた。1敗の関脇琴ノ若は阿武咲をはたき込んで単独トップをキープ。霧島と豊昇龍の両大関はともに勝って2敗を守り、3敗は消えた。
期待の超新星も、まだまだ敵ではなかった。照ノ富士は立ち合いでしっかりと大の里の当たりを受け止めた。素早く右差しから左上手を引くと、出てきたところを豪快な上手投げ。貫禄も余力もたっぷりに、土俵下に転がったホープを一瞥した。
2014年秋場所14日目の白鵬-逸ノ城戦以来、10年ぶりとなる新入幕力士の横綱戦。怖いもの知らずの相手の挑戦を受ける立場だったが、やりづらさは「特にない」と平然と振り返った。取り口や相手の立ち合いの感触についても「普通」とあっさり。「勢いがあるって言われても、まだ8番しか勝ってないじゃん。でも、いいものを持っている子だと思うし、相撲を見ても一気に攻める。これから楽しみじゃないですか」と冷静に評価する姿が、格の違いを際立たせた。
腰痛による3場所連続休場からの復帰場所。7日目に2敗目を喫して以降は5連勝で、内容も危なげがない。初顔合わせとの対戦もこれで14連勝。20年7月場所の再入幕以降では19勝1敗とした。八角理事長(元横綱北勝海)は取組前「ようやく欲が出てくる。もしかしたら優勝できるのではと、気合が入ってくる」と、さらにギアを上げてくると予想。もう前半戦のような不安は感じられない。
13日目は1敗の琴ノ若との直接対決。勝てばトップに並ぶ。終盤戦の優勝争いに久々に身を置いても、照ノ富士は「いい時と比べたら、程遠い感じなので」と、淡々と自身の状態を受け止めた。昨年夏場所以来の4場所ぶり復活Vへ。「まだ3日もありますから」と落ち着き払った横綱が、9度目の賜杯をハッキリと視界に捉え始めた。