柔道 パリ五輪落選の丸山城志郎、熟考の末に現役続行 「負けて終われない」元世界王者、GSパリ大会で9カ月ぶり再起
柔道男子66キロ級で2019、21年世界王者の丸山城志郎(30)=ミキハウス=が26日までにオンラインで取材に応じ、現役続行の意思を表明した。2月のグランドスラム(GS)・パリ大会へのエントリーが発表され、9カ月ぶりの再起戦となる。昨年5月の世界選手権決勝でライバルの阿部一二三(パーク24)に敗れ、パリ五輪代表から落選。進退について熟考し、一時は引退に気持ちが傾いていたというものの、「もう一回戦ってみたい気持ちになった。負けて終われない、勝って終わりたいという気持ちが強くなった」と胸の内を明かした。
阿部と激しく代表を争った東京五輪に続いて今夏のパリ五輪の出場も逃し、2カ月ほどは柔道から離れていた。畳から退く気持ちの方が強かったものの、天理大の先輩でもある五輪2連覇の大野将平(31)=旭化成=から「俺は2回優勝してるけど、五輪が全てじゃない」と声をかけられ、柔道に向き合う気持ちが変化したという。
「現役を続ける、勝ち続けることは難しいことで苦しいことだが、勝負師として、負けた状態では終われない」。海外勢はもちろん、パリ五輪代表になった阿部にももう一度勝ちたいという意欲を示し、「負けて(現役を)退くよりは、勝ってチャンピオンになって退きたいという気持ちが強かった。このまま終わると、引退した後、数十年後に後悔するのかなという気持ちが少しでもあるのなら、最後まで戦い抜く。勝ち負けに関係なく、戦い抜いた方が後悔がないのかなというシンプルな気持ちが強い」と明かした。
28年ロサンゼルス五輪については「簡単に五輪を目指すとは言えない」と明言は避けたが、直近の世界選手権(5月・アブダビ)での王座返り咲きを目指すという。「先を見ずに目の前のことだけに集中して、(大会ごとの)節目節目で自分の気持ちと向き合って戦っていきたい」。世界屈指の技の切れ味を誇る元世界王者は「丸山の柔道は美しいとか、マネしてみたいとか、1人でも思っていただけたらうれしい。一本を狙いにいく柔道を貫き通したい」と晴れやかな様子で語った。