伊藤美誠は涙止まらず 6回戦敗退でパリ五輪代表逃す 団体戦代表に望みも複雑胸中「どこまでやるか考えて」

 「卓球・全日本選手権」(26日、東京体育館)

 パリ五輪代表選考の最終対象大会として、女子シングルス6回戦が行われた。残り1枠を争う3番手の伊藤美誠(23)=スターツ=は、Tリーグで活躍する木村香純(トップ名古屋)に先にマッチポイントを握りながらも、3-4でまさかの逆転負け。逆転での五輪切符獲得には最低8強入りが必須だったが、16強で散り、代表入りを逃した。これで平野美宇(23)=木下グループ=の2番手が確定し、自身初の五輪シングルス代表をつかみとった。

 東京五輪で日本卓球史上初の金メダルをもたらした伊藤が、パリ五輪代表を争う最終決戦で沈んだ。初戦から苦戦続きで、2試合連続でフルゲームの激闘を4-3で制して意地を見せたが、6回戦で伏兵に敗れた。序盤は優位に戦い、ゲームカウント3-1として第5ゲームは10-8とマッチポイントを握ったものの、そこから4連続失点。一気に主導権を失うと、3-3で迎えた第7ゲームはいきなり7連続失点を許すなど、7-11で落として力尽きた。

 試合後はコート裏の通路で涙が止まらず。壁に手を付いてむせび泣き、手で顔を押さえるなど、ショックを隠しきれなかった。

 自力での3大会連続五輪は逃したが、選考ポイント合計471・5点で3番手は確定。東京五輪で銅メダルを獲得したシングルスへの出場はかなわないが、強化本部推薦による3枠目の団体戦代表選出の可能性は残る。

 まさかの敗退にコート裏の通路でむせび泣いた伊藤。今後について「私はずっとシングルスで優勝したいことを目標にしていて、団体戦に選出されても出るかどうかはっきり決まってないが、まずは落ち着いて、どこまでやるかしっかり考えて、昔からの目標は良いところで辞めたいと言っていたので、これで終わりたくない気持ちもあるし、終わりたい気持ちもある。いいところで終わりたいので、もう少し頑張ります」と声を詰まらせながら語った。

 ◆パリ五輪代表選考ポイント女子上位5人(大会前時点)

(1)早田ひな=790・5点

(2)平野美宇=486点

(3)伊藤美誠=451・5点

(4)木原美悠=354点

(5)張本美和=330・5点 

 【全日本選手権のポイント】優勝=120点、準優勝=100点、4強=80点、8強=50点、16強=20点、32強=10点

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