伊藤美誠「シングルスで日本初の金メダルを取り、歴史に残したかった」 パリ五輪代表逃す【一問一答】

 会見で涙を流す伊藤美誠(撮影・吉澤敬太)
 隣のコートで戦う伊藤美誠(手前)と平野美宇(撮影・吉澤敬太)
 平野美宇(右奥)の前でポイントを落とし天を仰ぐ伊藤美誠(撮影・吉澤敬太)
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 「卓球・全日本選手権」(26日、東京体育館)

 パリ五輪代表選考の最終対象大会として、女子シングルス6回戦が行われた。残り1枠を争う3番手の伊藤美誠(23)=スターツ=は、Tリーグで活躍する木村香純(トップ名古屋)に3-4でまさかの逆転負け。逆転での五輪切符獲得には最低8強入りが必須だったが、16強で散り、代表入りを逃した。これにより、8強進出を決めたライバルの平野美宇(23)=木下グループ=の2番手が確定した。試合後の記者会見では、涙を流しながらも毅然と話した。一問一答は以下。

 -8強入りならず。

 「私は明日(から)の赤マットでやりたかった気持ちがつまっていた。今大会1回戦からずっとフルゲームで、最終試合が一番勝ち試合だったところをフルゲームにしてしまった。3-3になる前に仕留めるべきだったが、自分の中ではわかっていて、フルゲームになってしまった。(コンディションは)昨年、腰を痛めて気をつけていたが、正直結構体には来ていて、(床が)滑るなと言う部分があったり、でも他の選手は乗り越えている。自分も乗り越えようと言い聞かせたが、(勝利には)たどり着かなかったです」

 (体調について)

 「五輪のためにTリーグも参加して、楽しい思い出はたくさんつくれたが、試合の中ではすごく苦しくて、楽しいと思うことが最初は少なくて。楽しいと思えるやり方に変えていって、楽しく試合や練習をできたが、大事な試合の前にけがや体調を崩すことが多くなった。WTT名古屋からせきが出ていたが、年始の1月1日にぶり返してしまって、肋骨(ろっこつ)にひびが入ったんじゃないか。息を吸って痛い、寝転んで痛いという部分があった。2、3日前くらいに3割くらいの痛みになって、耐えて耐えて耐えまくろうと思っていたが、最後自分で耐えることができなくなった。目標としていた五輪は閉ざされてしまったが、悔しい経験というか、最後まで戦えたことは良かったと思います」

 -五輪への思いは。

 「シングルスで(日本勢)初の金メダルを取って歴史に残したかった。東京五輪が終わってからは、五輪を目標にしていても、五輪を目標にするのはやめておけば良かったなという瞬間がいっぱいだった。でも、本当にパリの五輪に出たい、パリって良い場所だなと思っていた。五輪だったらどうだろうと想像できないところがあって、実際に目にしたかったし、みんなと一緒に行きたかったが、その部分だけは悔しい。東京五輪は歴史に残るものをつくり上げたんだなとすごく感じてます。その時は全く感じてなかったが、自分が金、銀、銅をもらったときは、次の日が試合だったので、余韻に浸れなかった。もっと余韻に浸れば良かったと正直思いました」

 -今後について。

 「私はずっとシングルスで優勝することを目標にしていて、団体戦に選出されても出るかどうかはっきり決まってない。まずは落ち着いて、どこまでやるかをしっかり考えたい。昔からよいところでやめたいと言っていたが、これで終わりたくない気持ちもあるし、終わりたい気持ちもある、いいところで終わりたいので、もう少し頑張ります(涙で言葉を詰まらせる)」

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