妹・美和も快進撃でヤジ?張本智和が苦笑い「勘弁してほしい」そろって4強、史上初の兄妹Vへあと2つ
「卓球・全日本選手権」(27日、東京体育館)
男子シングルス準々決勝が行われ、パリ五輪代表の張本智和(20)=智和企画=は、20年大会覇者の宇田幸矢(22)=明大=を4-2で撃破し、4強入りを決めた。6年ぶり2度目の優勝まであと2つ。また、妹の張本美和(15)=木下アカデミー=も女子シングルスで準決勝に進み、同種目の最年少制覇を視界に捉えた。兄妹による男女シングルス同時制覇となれば、大会史上初の快挙となる。
智和自身は、4年前の決勝の舞台で苦杯を喫した宇田との因縁の一戦だった。強打を誇るサウスポーとの激闘で中盤までは競り合ったが、終盤の勝負所で突き放して振り切った。ただ、試合中には集中力をそぐような“雑音”も耳に入ったといい、「“妹(美和)は勝ってるぞ”と(会場で)ヤジが聞こえて…。勘弁してほしかったです(笑)」。自身も勝ったからよかったものの、苦笑いするしかなかった。
中学3年の美和はこの日の女子シングルス準々決勝で、前回2位の木原美悠(木下グループ)に衝撃のストレート勝ちを果たし、初の4強入りを決めた。妹の快進撃に智和は「自分の方が(本人より)妹の勝利を喜んでいる」と、えびす顔。25日には「お互いシングルスで優勝できるレベルまで妹もきている。自分が(王座を)取らないと(2人で)優勝できないくらい、プレッシャーを感じているので(笑)。僕が(優勝)できるように頑張ります」と自虐で笑いを誘うほど、美和の成長を実感している。
自身は6年ぶりの返り咲きへ「優勝しか狙っていない。2位以下は初戦敗退と同じ」と決意を込め、28日の準決勝、決勝に向けて「自分の試合に集中して戦いたい」とギアを上げた。