琴ノ若の前に懸賞金ドカッ 片手でつかめず両手でガッチリ 豊昇龍の休場で計63本 呼び出しが土俵4周の異例事態
「大相撲初場所・14日目」(27日、両国国技館)
結びの一番で関脇琴ノ若が大関霧島を下して2敗をキープ。勝ち名乗りを受けると、片手では持ち上げられないほどの懸賞を両手でガッチリと受け取った。
この日、結びの一番には横綱照ノ富士と大関豊昇龍戦が予定されていた。だが豊昇龍が前日の取り組みで膝を負傷したため、午前中に休場が発表された。
そのため霧島-琴ノ若戦が急きょ結びの一番に。2015年の初場所以降では最多となる計63本の懸賞がかけられ、両者が土俵に上がると懸賞旗を持った呼び出しが土俵を計4周する事態となった。これには国技館も大きなどよめきに包まれ、異例の多さとなった一番にファンの注目度も増した。
取組では琴ノ若が2度、立ち会いに失敗するも、3度目の正直でぶつかり合う激しい展開に。「慌てないで行こうと思ってたんで、我慢できてよかった」と霧島ののど輪で一旦は動きを止められたが、右手で払いのけ、はたき込んで形勢を逆転すると、寄り切って2敗を死守した。
勝ち名乗りを受けた琴ノ若は両手で大量の懸賞金を受け取り、悠然と花道を引き揚げた。床山は「こんな量見たことない」と思わず驚きの声を上げたほどだ。
「まずは明日の取り組みに集中しないといけない。それ(優勝)は後からでいいと思う」と表情を引き締めた琴ノ若。優勝&大関昇進へ勢いがつくような一番。千秋楽は翔猿と対戦することが決まった。