前田穂南が2時間18分59秒の日本新「狙っていたのでうれしい」野口みずきの記録を19年ぶり更新 3枠目のパリ五輪代表候補1番手に

 2位でゴールした前田穂南(撮影・中田匡峻)
 2位でゴールした前田穂南(左)=撮影・中田匡峻
 2位でゴールした前田穂南(撮影・中田匡峻)
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 「大阪国際女子マラソン」(28日、ヤンマースタジアム長居発着)

 今夏のパリ五輪の出場権をかけたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジとして行われ、21年東京五輪代表の前田穂南(27)=天満屋=が2時間18分59秒で、05年のベルリンマラソンで野口みずきがマークした2時間19分12秒の日本記録を塗り替えた。設定記録の2時間21分41秒も突破して日本人トップの2位でゴールし、パリ五輪代表3枠目の1番手となった。

 レース後のインタビューでは「今回日本新記録更新を狙っていたのですごくうれしい。後半は風が強く吹き、雨も降って、最後どうなるかわからなかった。沿道の応援が力になって、最後まで出し切ることができた」と振り返った。

 今大会へは阪神・岡田監督の流行フレーズにちなんで、「目標は“アレ”です」と意気込んでいた。レース後にアレが何を意味していたのかと聞かれると「日本新記録更新です」と打ち明けた。その言葉通り、ペースメーカーは日本歴代2位の記録を持つ新谷仁美(積水化学)が務め、5キロ地点では2時間21分41秒の設定記録を上回るハイペースでレースが進んでいた。前田は21キロで先頭集団を抜け出すと、リードを広げていった。

 32キロ付近では父が沿道で並走し、母が声かけで応援する姿も。優勝したエデサ(エチオピア)に抜かれペースが落ちかけたが、踏ん張った。

 パリ五輪代表選考では、昨秋のMGC1位の鈴木優花(第一生命)と2位の一山麻緒(資生堂)が出場権を獲得。3枠目は資格を持つ選手の中でファイナルチャレンジ(大阪国際女子、名古屋ウィメンズ)で設定記録の2時間21分41秒の突破者がいれば、その最上位者に決まり、突破者がいなければMGC3位の細田あい(エディオン)になることになっていた。

 現時点で3枠目の1番手に浮上した前田は「まだどうなるかわからないが、今の力をしっかり出し切ることができたので、今はすごくうれしい。パリでしっかり世界と勝負して走っていきたい」と決意表明した。

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