戸上3連覇スルリ 遠すぎる1点 優勝決まるマッチポイント8度生かせず「死闘。冷静さ欠いた」

 優勝した張本智和(手前)と抱き合う戸上隼輔(撮影・吉澤敬太)
 張本智和にポイントを奪われ、がっくりの戸上隼輔(撮影・吉澤敬太)
 張本智和(手前)と対戦する戸上隼輔(撮影・吉澤敬太)
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 「卓球・全日本選手権」(28日、東京体育館)

 男子シングルス決勝が行われた。24年パリ五輪代表を確実にしている両雄の激突。2連覇中の戸上隼輔(明大)は、張本智和(智和企画)に3-4(11-8、10-12、11-9、11-8、9-11、12-14、14-16)で敗れ、史上7人目の3連覇を逃した。

 あと1点が遠かった。第1ゲームを奪うと、第3、4ゲームを連取。一気に勝負が決着すると思われたが、ここから大苦戦した。

 第6ゲームで先にマッチポイントを奪うも、相手の左右に散らした強打に押されて最終ゲームに持ち込まれた。次も先にマッチポイントを奪ったが、またジュースの連続。突如襲ってきた吐き気にも耐えながら、11-10、12-11、13-12と攻め続けたが、最後は必死に打ち抜いたボールが無情にも台の外で跳ねた。

 8度のチャンピオンシップポイントを生かせず、3連覇はスルリ。“張本キラー”としてこれまで相性はよかったが、この日は執念で上回られた。戸上は「死闘だった。8本のマッチポイントを取っていながら冷静さを欠いて自分のプレーができなかったのが敗因」と唇をかんだ。

 パリ五輪までは約半年。「(今日は)一生忘れられない試合。今は(敗戦を)受け入れて、五輪に向けて切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と誓った。

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