横綱の重い言葉が部屋を引き締める「キツくても、稽古場にくるのが力士の仕事」 照ノ富士復活V9
「大相撲初場所・千秋楽」(28日、両国国技館)
横綱照ノ富士が13勝2敗で4場所ぶり9回目の優勝を飾った。本割で大関霧島を寄り切りで一蹴。関脇琴ノ若との優勝決定戦も寄り切りで制した。腰痛による3場所連続休場からの復活V。万全には程遠い状態で台頭する新勢力の壁となり、綱の威厳を示した。
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強いのは当たり前。伊勢ケ浜部屋の部屋頭として、照ノ富士は後輩への助言も惜しまない。初日から9連勝で新十両優勝を飾った尊富士は、今場所の取組後「毎日のように言われています」と、よく感謝を口にしていた。納得のいかない相撲で勝った時は「15日間あるんだから、そういう日もある」と声をかけられて納得し、気持ちが楽になった。
6日目の朝稽古では、力士としての心構えをあらためて全員に説いたという。「どんなにキツくても、稽古場に下りてくるのが力士の仕事だろ。痛かったら稽古はしなくていい。でも、稽古場には来るんだよ」。大関から序二段に転落、そこから最高位に上り詰めた。横綱の重い言葉が、部屋を引き締めている。関取6人、熱海富士や尊富士ら期待の若手も多い大きな要因だ。(デイリースポーツ大相撲担当・藤田昌央)