柔道 全日本選手権で「旗判定」7年ぶり復活 国際ルールから原点回帰「指導数より攻撃を高く評価」ゴールデンスコアは廃止
全日本柔道連盟(全柔連)は30日、体重無差別で日本一を争う全日本選手権(4月29日、日本武道館)の試合ルールを大きく変更し、ゴールデンスコア方式の延長戦を廃止した上で、どちらが優勢だったかを審判が判断し勝敗を決める「旗判定」を7年ぶりに復活させることを発表した。
近年は最重量級の代表選考会を兼ねていたことから、国際(IJF)ルールに合わせて試合時間を4分とし、決着がつかない場合はゴールデンスコアの延長戦としていたが、試合時間5分(決勝は8分)の中で決着をつける。攻撃をより評価する方針で、オンラインで説明会を行った大迫明伸審判長は「真の柔道日本一を決める大会。日本発祥の柔道本来の魅力をたくさんの方に伝えるには、どういうルールにすべきかと考えた」と説明した。
講道館が共催する全日本選手権は、IJFが廃止した「有効」を残すなど独自のルールで行われているが、2017年からはIJFルールに準拠する形で「旗判定」を廃止し、ゴールデンスコア方式の延長戦を採用していた。それでも、指導3つの累積で「反則」となるため、不完全燃焼となるケースもあった。今回のルール改正では、反則負けは指導数4つに変更される。
大迫氏によれば、指導の累積数が多くても、より攻撃的な柔道をした選手が優勢となる方向性だという。延長戦が行われないため、試合時間内でより効果的な技を出すことが求められ、「決められた時間で必ず優劣を決定するので、この中で戦わないといけなくなる。指導の数よりも攻撃を高く評価すると(方向性を)ハッキリと打ち出す」と原点回帰を強調した。