日本相撲協会は３１日、東京・両国国技館で大相撲春場所（３月１０日初日、エディオンアリーナ大阪）の番付編成会議と臨時理事会を開催し、初場所の１３勝を含め直近３場所合計３３勝を挙げた関脇琴ノ若（２６）＝佐渡ケ嶽＝の大関昇進を満場一致で決めた。昇進伝達式後に琴ノ若は、父で師匠の佐渡ケ嶽親方（元関脇琴ノ若）から受け継いだ現しこ名で新大関として春場所を務めた後、夏場所から祖父で横綱だった先代師匠のしこ名「琴桜」を襲名することを表明。横綱昇進を目指し、精進を続けることを誓った。

　愛息の大関昇進に、佐渡ケ嶽親方も喜びがあふれた。「最高にうれしいですよ。父親として。師匠としてもうれしいし。本当にこういう場が来るとは」と、笑顔で「うれしい」を連発した。

　自身は関脇が最高位だった。琴ノ若が自身から継いだしこ名で新大関となることには「その名前を大関まで上げてくれるのは、本当に感謝ですね。師匠孝行、親孝行してくれているなと思う」と感慨深げ。会見中にはしばしば目を潤ませた。

　初場所前には琴ノ若に「大関は通過点だぞ」と声をかけ、大関とりの重圧を取りのぞこうとしたという。１３勝という結果には「ビックリしました。私ではなく先代の師匠が乗り移ったのかなと」と頼もしげ。「天国で先代はすごく喜んでくれていると思います」としつつ「先代に並ぶには横綱しかない。もっともっと強い琴ノ若、そして琴桜になってほしい」と親子の夢に目を向けた。